おさかなはフィッシュ

人間の時間のおさかなはフィッシュのネタバレレビュー・内容・結末

人間の時間(2018年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

子供の頃、スイカの種を誤って飲み込んでしまうと、身体を突き破って芽が出てくるのではないかと心配だった。

おじいさんが種を直植えし始めたところで笑った。これでいけるなら、こっちの方が効率いいしな。
という具合に残り30分くらいでようやく独自性が出て面白くなってくるけれど、それまでがとにかく長い。どこかの青年漫画で見たような展開が1時間半ほど続く。ヤクザが柄シャツ集団だったり、台詞がベタベタだったり。しかも順当に強い者が生き残っていく。
求めるべき意味なんてないという帰結のための前フリとしてならこの空虚さも頷けるけれど、それにしても長い! 必要だったにしても、もう少しやりようがあったのではと思ってしまう。 (キム・ギドクは昔観た『嘆きのピエタ』が面白かったので、空目して別人の作品を観たかと疑い始めるくらいだった。)

ヒロインが一人で人肉食べているところはよかった。たそがれの憂愁。仕事に疲れたOLもこんな顔してるわ。

そんな内容のわりには不思議と読後感は悪くない。連綿と続く流れの中の一人でしかないのだから、思い悩まず好きにやろうぜ!というメッセージを勝手に受け取った。



グロ耐性は比較的ある方というか、物事をあまり気にしない方なので、インドカレー屋で骨付きチキンカレーを食べて帰った。
シネマ・ジャック&ベティにて鑑賞。