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キャメロット・ガーデンの少女のtransfilmのレビュー・感想・評価

4.3
現代の生活にあてはめたおとぎ話のようなストーリーで、とても雰囲気が美しい作品。「グロテスク」と紹介文に書かれていたけど、内容も綺麗な作品だと思う。

この映画を観終わった後に、考えてしまうことは、
- 一体何が人生をつまらないものにさせるか? -
ということ。
子供の頃、みんな人生は基本的には楽しい。
(そうではない子供もいるかもしれないけれど)
そんな子供の人生をだんだんつまらない色あせたものにさせるのは、この映画に出てくる大人たち(サム除く)の価値観だと感じた。

この大人たちのダメなところは、周囲の人間と比較すると自分たちはこの位置だから幸せだ。。とか、あの人はあの位置だからダメな人間だ。。とか、そういうことでしか人間の価値を観れていないところだと思う。ようは、周りの人間を利用しなきゃ、良し悪しが判断できないような。

大人の話をまだ全部理解できない年頃のデヴォンだけど、その年代の子供であるゆえに、逆に大人だったら何ともない会話でも傷つくことがあるだろうと思う。こういった価値観をもつ大人たちがする会話が、その一つだと思いました。

この映画、監督は「ニコールキッドマンの恋愛天国」という映画を撮った人で、恋愛天国と共通の雰囲気も感じました。
でも、この映画のほうが、「ピクニックatハンギングロック」みたいな、幻想的な雰囲気もあってより良かったと思う。
この監督の映画、マイナーな作品が多いけど、他の映画もみてみたいな!と、思いました。



(キャストについて)
若い頃のサムロックウェルと、子役時代のミーシャバートンが出演してます。
サム・ロックウェルは、雰囲気も、役柄もあんまり今と変わってないです。いつもああ、めんどくせえ みたいな雰囲気を醸し出しつつ、いざというときに優しそうだし、なにより話すと楽しそうなところがサムの素敵なところですな。とても好きだし、そもそもこの映画を見つけたのもサムロックウェル目当てでした。

ミーシャバートンは自分はあまりよく知らなかったけど、
この映画ではボーダーコリー級にかわいいです。
ハリウッドは大切にしなければならない!。。と感じたけど、はたしてハリウッドはミーシャバートンを大切にしてきただろうか。。そんなことは、現地の人のみぞ知るでした。
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