【伝承することの大切さ】
「おくりびと」の粟国島版という感じですが、こちらは職業ではなく、故人の近親者による儀式。
あからさまに笑いを取りに来るので、実際笑ったのはその2割ぐらいでしたが、「死」という重くなりがちなテーマも、沖縄の澄み渡った空と海のように爽やかな雰囲気でした。
洗骨について初めて知りましたが、風習の本来の意義はともかく、最愛の人の死を受け入れ改めて感謝するには、充分すぎるほど現実的な儀式です。
故人にしてみれば、数年ぶりに再会した愛する人達の素手によって、骨まで綺麗にしてもらえるなんて、これ以上ないくらい幸せなことではないでしょうか。
思い返して後から涙が出ました。
一点不自然に感じたのは、島在住のはずの女性親族達が色白美肌なこと…。現地のエキストラと見られる方々は、皆こんがり焼けておられたので…。
先祖を想い、子孫を想う。
全編を通して優しさが溢れており、監督の自身のルーツへの敬意を感じました。