ルサチマ

いさなとりのルサチマのレビュー・感想・評価

いさなとり(2015年製作の映画)
4.1
撮影が素晴らしいと思っていたら撮影に渡邊寿岳の名があり嬉しくなった。
自主である必然性を欠いた映画の中でこんな作品が屹立していることはそれだけで喜びだを抱くが、それでもやはりこの映画もまた批評性とまでは言わないにせよ、主題の発見を出来ず編集の中心点を掴めないままであるような印象も抱く。

主人公とその周りの関係のドラマを見せろというのも野暮だが、ドラマの核になりうるべき広島の土地そのものの問題をこの映画は捉えられているとは思えない。例えば墓場の俯瞰ショットは本当に俯瞰で捉える必要があるべきなのか。あのロケーションに必要なポジションなのかどうか疑問を抱いたのは事実。
90分の長さで物語るべき時間と空間についての吟味がなされたとき、この作家が傑作と呼ぶに相応しい作品を撮る可能性はあり得ると思う。期待を込める。
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