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I am Sam アイ・アム・サムのYYamadaのレビュー・感想・評価

I am Sam アイ・アム・サム(2001年製作の映画)
4.0
【法廷映画のススメ】番外編
『アイ・アム・サム』(2001年)
〈フィクション (ロサンゼルス)〉

◆法廷の争点
知的障害の父に、知能水準を越えた幼女を養育出来る能力を有するか?

〈見処〉
①父と娘の愛情は割けられない。
「泣きの映画」不朽の名作!
・『アイ・アム・サム』は、2001年に制作された人間ドラマ。
・本作の舞台はロサンゼルス。7歳の知能しか持たないサム(ショーン・ペン)は、スターバックスで働きながら、ひとり娘ルーシー(ダコタ・ファニング)を育てるが、ルーシーは徐々に父親サムの知能を越えて成長。
・ルーシーに対する養育能力を指摘したソーシャル・ワーカーにルーシーを取り上げられたサムは、法廷で闘う決意を固め、エリート弁護士のリタ(ミシェル・ファイファー)に依頼する。
・彼や彼の障害者の友人たちは裁判で普通の証言ができず、どう考えてもサムには不利な裁判。厚い信頼関係で結ばれている親子2人に待ち受ける行く末は…?
・本作は知的障害を持つ父親と、幼い娘との純粋な愛を描いた「泣きの映画ジャンル」の不朽の名作。
・本作には、サムの友人役で実際に知的障害を持つ人々も出演。また、製作時に取材した多くの障害者がビートルズ好きであったことから、脚本にビートルズの逸話を組み入れ、複数のビートルズの楽曲を使用。予算の関係上、カヴァーバージョンを録音使用したが、逆に本作のサウンド・トラックは話題となった。
・父サム役のショーン・ペンは、第73回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、惜しくも受賞は逃したが(『トレーニングデイ』デンゼル・ワシントンが受賞)、圧巻の演技を披露。また、当時7歳のダコタ・ファニングは本作にて大ブレイク。No.1子役スターとして広く認知され、2005年には、雑誌「エンターテインメント・ウィークリー」で、11歳ながら「アメリカ最強の女優」に選ばれるきっかけとなった。

②結び…本作の見処は?
本作は、サムに関わる人物たちの成長の物語である。
◎:『ミスティックリバー』(2003)の元犯罪者ジミーと同一人物とは思えないショーン・ペン。その表情や仕草は、知的障害者を演じたダスティン・ホフマン(レインマン)、トム・ハンクス(フォレスト・ガンプ)ら、アカデミー受賞俳優を越える圧巻の演技を披露している。
◎: まるで妖精のような本作のダコタ・ファニング。堂々としたその延期は、映画史上No.1子役に相応しい。
○: 当時43歳のミシェル・ファイファーが大変魅力的な妖艶さを醸し出している。突然「夫と離婚しろ」と言い出すサムとの関係性が大きく変化する出来事が抽象的に描かれている。
○: ビートルズのカバー曲が効果的に使用され、作中のシーンをより印象的にしている。
▲: 中盤までのいくつかの場面に退屈感を覚え、サムが激昂するシーンはもう少し減らしても良かったのでは?意外にコメディ・シーンは少なく、もっとサムの幸せな表情を増やして欲しかった作品でもある。
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