田上

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3の田上のレビュー・感想・評価

5.0
ずっと泣いてしまったなぁ。

当たり前の話だけど、作り手がガーディアンズのことホントに好きで作ってるんだろなぁって思った。
ライトなファンの自分は過去作を1回か2回見た程度なので、あいだあいだに挟まれるキャラクターの細かい描写があんまりわからない。ありすぎてついていけないくらいの深みがあって良かった。
マンティスが落ちるときはいつも首から着地するのとか。なんで?って。
MCU全般そうだけど作り手の細かい仕事がちゃんと世界観を深められてて、それを探して楽しむっていう通な見方もできるのがMCUの素晴らしいところだよね。
今回もそういうのがたくさんあったと思う。
それだけ楽しめる要素がたくさんあるってことだし、それだけ本気で良い作品を届けたいっていう気持ちがこもってるし、ホントに緻密で時間のかかる仕事だよなぁと感心したポイントでした。

MCU全体で僕がうっすら期待してるのは現実世界とリンクしたテーマを語ること。
MCUはこの現実世界のいろいろな難しい問題にどういう答えを出すんだろう?って。
ガッツリ全部1本で語らなくてよいけど、ところ所に現実的なテーマが垣間見えるとMCUが現実にグッと近寄ってくるからより感情移入しやすくなって良い作品になると思う。
これだけの大シリーズになったMCUだからこそ現実に則してて、でも希望を抱かせる物語を期待しちゃう。

今作はコロナを経験し、ウクライナ戦争や経済不安、貧困、差別、人権侵害などが世界全体を大きく揺らがせている現実の世界のテーマが垣間見えた。アメコミ映画という娯楽作品で現実的テーマを入れるにはどのくらい深めにストーリーに反映させるかのバランスが大事だと思ってて、あんまりにも現実的になりすぎると今度は説教臭くなって「うっせぇもうええわ」ってなっちゃうし、薄ければそれはそれで「面白かったけど明日には忘れるわ」だし。バランスが大事だよね。
その点今作はスゴい絶妙バランス感覚で現実的なテーマを入れてて、現実で苦しんでてでも戦ってる人達をオーバーラップさせちゃったりしちゃってスゴい泣いちゃった。良い脚本だった。
普通に良いストーリーというか、痛ましいけど乗り越えるっていう希望のあるストーリーに現実がちょっとオーバーラップしてくるとバカ泣けちゃう。
今作は随所に現実への回答、メッセージと取れる場面があって、ずっと感動でした。

MCU的にはマジで邪悪な奴はもうヤッちゃえば良いじゃんっていうのは変わらないんだろうな〜とは思ったけども。それで良いと思うし、考えるべきは憎み合わなくて良い人達とか理解が進んでない人類同士がどう認め合って共存していくかっていうことでそっちのほうが大事だと思う。
それを武力だとかで破壊する人は、なんつーか…ガーディアンするというか守るためには戦うぞっていう。そんな感じで結構ガッチリMCU作品の回答が見れてよかったです。

こっからは映画の感想なんですが、
冒頭から泣きまくりで、冒頭の1曲目好きな曲だったんで「わぁ好きな曲が好きな映画でかかったあ!」っていうことで泣いた。

あとはドラックスがパパすぎるとか、ネビュラがロケットのために泣くとか、あんなに沈んでたクイルがロケットのために出撃するの早すぎるのとか、ヨンドゥとか、ライラとかティーフスとかフロアとかな…。思い出すだけで泣けるポイントがいっぱいいっぱいあった。
ホントに集大成。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを超える娯楽作品は現れないんじゃないかなと思うくらい、笑って泣ける最高の作品でした。
絶対帰ってきてほしい。
田上

田上