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グッバイ、リチャード!のArbuthのレビュー・感想・評価

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)
3.5
『死ぬまでにしたい10のこと』『あなたの旅立ち、綴ります』『50/50』『最高の人生の見つけ方』『ノッキンオンヘヴンズドア』『サヨナラcolor』『8月のクリスマス』『湯を沸かすほどの熱い愛』死期を悟った人が人生を見つめ直す瞬間にはきっと何物にも代え難いドラマがある。それを題材にした名画は多い。
この作品もそのジャンルの中の一つに数えられると思うけど、その中においてもかなり淡々としていて、主人公のリチャードはかなり終盤までどこかシニカルでハスに構えてる。やけっぱちになってる、と思われる描写もある。やけっぱちな人間ははたから見るとコメディだ。

しかし、自分だったらどうするか。
やっぱり必要最小限の人にしか知らせず、何もないように振る舞うかもしれない。余計な心配や同情をしてほしくないから。家族にも言わないかどうかは…その時になってみないと分からない。でも気持ちはわかる気がする。

何事もなかったように振る舞えば、自分も本気でそう思い込めるようになるのかも。下手に動転するよりは、笑い飛ばしてふざけて生きていたい。その日が来るまで。

そう考えて観ると、途端に悲しくなってきた。コメディとして振る舞えば振る舞うほど悲劇なのか。

考えさせられる作品だった。
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