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ゲッベルスと私のsobayuのレビュー・感想・評価

ゲッベルスと私(2016年製作の映画)
3.0
私だって今の政治に対して何のアクションも起こしてないので彼女を責めることはできないし、普通の人ってそうだよねということ以外言いようがない。常に現体制側に立つことによって普通の人ってポジションが成り立つ。「私が選んだんじゃない、知らなかった、私に責任はない、ドイツ人全員に責任があるというなら別だけど」

そしてやっぱり当時の市民はホロコーストを知らなかったと言うんだな。言うしかないんだろうな。このインタビューで目新しい何かが語られるとかは全然ないけど、当時の普通のドイツ人の証言として後世に残す意味は大きいんだろう。ユダヤ人の博士の元で働きながらナチ党員になり、迫害を受けどんどん貧しくなるユダヤ人の友達を横目に見ながら党員として高給取りになる。何でもないことのように「ユダヤ人の博士は屋敷を売り出て行くと思っていた」と話す。善き人という映画そのまま。今私が感じている憤慨に対しても、彼女はこう言う「あなたたちも同じことをする」。そうかもしれないけどそうならないようにしなくちゃ。

103歳でこれだけ理路整然と話ができるのはすごい。話すことに慣れている感じだから、そういう活動をしていたのかな。一定のポーズは取っているけど、依然としてナチ党シンパな物言いもしてるように聞こえる。
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