Mikiyoshi1986

万引き家族のMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.0
『誰も知らない』から『歩いても歩いても』『そして父になる』『海街diary』『海よりもまだ深く』など、
その手掛けてきた作品の中で「家族の在り方」についてを重要なテーマとしてきた是枝裕和監督。

この度見事パルムドールに輝いた本作『万引き家族』では、その強烈なインパクトを与えるタイトルはもとより、
構成される家族一人一人に現代の日本が抱える社会問題を実直に担わせています。
時として赤の他人は家族になり得るのか?

貧困、非正規雇用、年金不正受給、生活保護、独居老人、前科、不妊、JKビジネス、児童虐待、ネグレクトなどなど、
凝縮されたネガティブエッセンスは個々の役割の中で、逆説的にこの歪な疑似家族に偽りなき絆を授けるのです。

松岡茉優のおっぱいマニフェストには熱烈な支持を表明したいところですが、
安藤サクラのそうめんを啜るシーンは完全にヤられた。
もう、あの淫靡さはどこからやってくるのか?
とにかく彼女の演技が終始ズバ抜けて光っていました!

そして一番泣きそうになったのは、安藤サクラの義父にも当たる柄本明のちょい役シーン。

働き方改革だったり、東京五輪だったりと、推し進める国政の裏側で置き去りにされているこれらの問題は決して日本だけには留まりません。
本作が世界最高峰の権威であるカンヌ国際映画祭において最高賞に輝いたことは、世界全土でも「さもありなん」説得力を強く発揮しているのです。
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