海老シュウマイ

青夏 きみに恋した30日の海老シュウマイのレビュー・感想・評価

青夏 きみに恋した30日(2018年製作の映画)
2.0
少女コミック王道パターンのお話を、実力・実績もある好きなキャスト達で、そして、滝のシーンなど印象的な夏風景も切り取られていたのに、
結果、全く心動かされないのは何なのか。

葵わかなが可愛く撮られてないのは厳しかった。ずっと顔がテカテカしてる。それが夏描写なのだとしても。

そして、原作未読だけど、原作を気にせず登場人物を整理して人物の掘り下げが必要だった。
葵わかなと佐野勇斗が戦うべきは二人の距離や田舎のしがらみなわけで、東京側のライバルはいらない。

ライバル登場がお約束なのはわかるけど、相手を嫉妬させる、複数に好意を持たれる、そこから「選ぶ」ことで悦に入るだけの役割で、
「選ばれない誰か」ができてしまう以上、どうしてもその人物が感じ悪くなってしまうんだから、せめて男女どちらかだけで良かった。

自分にとっての唯一の存在ぐらい他人を踏み台にしないで自分で決めろって話だし、逆に「選ばれる私」に「憧れる私」というのもどうなんだい。

単にそんなことに使った尺は、葵わかなのヒトナツの成長や、佐野勇斗の人生の選択を描いて欲しくて、
葵わかなのそば屋の手伝いはどうなったのか、ソフトクリームはうまく作れるようになったのか。それらはうやむやにする甘やかし。
佐野勇斗も努力せず天性の「センス」なるものを評価される甘々展開。

悩んでる風で甘やかされるだけの魅力のないキャラクター達に、可愛くない撮り方で、結果、好きになれってほうが無理。

せめて古畑星夏の役をもう少し純朴さに振った人にして欲しかった。田舎に残り幼馴染との関係をいまだに大事にするキャラだよ?
スタダ縛りでも高橋春織とか柴田杏花とか適役がいたはず。


映画史的に言うと、「アオハライド 」から4年、2年前に「溺れるナイフ」が公開され、同時期にはすでに「センセイ君主」、「ちはやふる 結び」と、青春キラキラ映画でも一捻りが欲しい粗製乱造期の最後のあたりという立ち位置。

これでも戦えると考えた大人の責任というか、そういう時代だったんだなぁ…