「似て非なるもの」とはこの事。
音楽や撮り方や雰囲気は日本版に似てる、
というか上手く似せたなーと思う。
そもそも前後編、4時間弱の映画を
2時間にする事それ自体がおかしい。
田舎での緩やかな穏やかな日々を描いた
スローテンポな映画を、
テンポよくサクサク進むオサレ映画にしたら、
そりゃ全然違う映画になるわな。
大問題は物語の根幹、が蔑ろになってる。
日本版ポスターのキャッチコピーにもなった
「生きるために食べる」
「食べるためにつくる」
が完全に抜け落ちてる。農業については
天候について少し触れるだけ。
農業で全然、苦労してるように見えない。
田舎で日々を生きてる人たちの姿も無い。
自然からの恵みに感謝してる様子も無い。
色恋沙汰を入れる時間があるなら
そっちに時間を回せと。
俳優に関しては文句は無いだけに残念、
むしろここは頑張ってたところ。
ただ、男優の咀嚼音(くちゃくちゃ)が汚い、
そこは音声さんカットせんと。
いい材料(俳優)といい見本(日本版)あるのに
シェフ(監督)が出汁も取らずに(主題無視)で
謎の隠し味(恋愛)を加えて調理した結果、
こうなってんなって感じ。これはこれで、
それなりに食える料理かもしれんが、
俺には無理でした。
劇中で適当に花を振りかけたパスタがあったけど
この映画はそれや、良いのは見栄えだけ。