もっちゃん

ナショナル・シアター・ライヴ 2018 「フォリーズ」のもっちゃんのレビュー・感想・評価

3.5
ordinary って単語好きなんですよ😇

直訳すると「日常」なんだけど、日常って人それぞれじゃないすか。
日常は日常なんだけど、ニュアンスとしては映画やミュージカルのような煌びやかな世界とは無縁のつまらない毎日の方が近いかなって思ってて。

そんな何もない1日1日だけど、オーディナリーって発音してみると、なんかこう、
それでもあなたなりの何か特別な意味がきっとあるよっていうポジティブなメッセージが含まれる気がして。

好きな単語なのです😇


そして、Musicalってそんな"ordinary"に潜む"something special"を見つけて掬いとって素敵なメロディに乗せて歌ってくれる。

ordinary😐ではなく、ordinary✨✨みたいな。

そんなMusicalのpositiveさが好きなのです😇


そして本作。
どんな作品かは松天さんとちゃおりのレビュー読んでくれ笑


「Folly」とは"愚かさ"という意味。
メインの登場人物は二組の熟年夫婦🙋‍♂️🙋‍♀️

キャラクター設定としてショーガールをしていたという華やかな過去があるが、それは過ぎ去った栄光💃
今では美貌にも陰りが見え、夫とはスレ違い顔を合わせては喧嘩する「中年危機」が訪れている🙍‍♀️

本作で描かれるFolliesとはつまり「ないものねだり」であり「他人任せ」である。
過去の栄光にすがり、自分の人生はこんなはずじゃないと嘆く。
悪いのはあなた。わたしを愛してくれないあなた。わたしはあなたに合わせようとこんなに頑張っているのに。

舞台装置や衣装はとても豪華だし華やかなのに、登場人物がこんなに地味なことってある?笑
ってくらいordinary。

どんな境遇であっても、たぶん誰もが経験したことのある・するであろうordinary。

そしてそこに確かにあるはずの幸せに気づけない、そんなfolliesが描かれる。

数十年分の年季の入った感情を歌うシーンは、感情移入は難しいんだけど、迫力あって見応え十分😇

一晩のパーティーを終えてまたordinaryに戻っていく二組の夫婦。
そこにfolliesはもうない。
訪れるのはordinary😐かもしれない、でもきっとordinary✨✨でもあるはず。
そんな予感のあるラストが素敵でした😇

すごい地味だけど、つまらない日常の中の幸せをすくいあげるのがミュージカルならば、ある意味究極のミュージカルなのかもしれない😇
もっちゃん

もっちゃん