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もぐら横丁のnagashingのレビュー・感想・評価

もぐら横丁(1953年製作の映画)
3.5
比較的抑制気味とはいえ、横丁と長屋の奥行きの捕捉や、部屋を横断する移動撮影はやはり冴えまくっているし、街の風景もいちいち新鮮。序盤の公園と終盤の病院で夫婦の切り返しが反復されるのにもグッとくる。宇野重吉、日守新一、森繁久彌といった脇を固める俳優陣がそれぞれの持ち味を生かして濃厚な存在感を発揮。檀一雄や林芙美子ら著名な実在人物が霞んでしまう。芙美子邸のセットは洋館にするか、現・林芙美子記念館にもう少し寄せてくれれば嬉しかった。ラストが『イタリア旅行』にクリソツじゃん、と思ったらこっちのほうが早い。
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