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ある少年の告白のnomovienolifeのレビュー・感想・評価

ある少年の告白(2018年製作の映画)
3.7
推測するに事実をだいぶマイルドに描いた作品のような気がした。言い方を換えれば、もし「暗い内容だから……」と観に行くのを躊躇う人がいたら、大丈夫だと言ってあげたい。BGMも助けてくれる。気になるのならば絶対に観て知っておくべき作品だ。

詳細は他のレビュアーが丁寧に説明してくれているので割愛させて貰う。

主人公ジャレットを演じた、ルーカス・ヘッジズを起用した理由は理解できるものの、(ファンには申し訳ないが)正直なところ少し物足りず、エンドロールのところで本人の写真が出た際、これは別の俳優でも良かったのではないかとも思った。

ニコール・キッドマンは近年女優として輝いていると思う。そして特筆すべき俳優は、なんとジャレッドの父親役を演じたラッセル・クロウ!彼の見事な演技がこの作品をしっかりと支えた。彼がMeTooで矢面に出たことは、記憶に新しいが、さすがベテラン、素晴らしい演技だった。

このような恐ろしいプログラムが今この瞬間にも起こっているとは……信じられない!この映画を観ることで何かが変わってくれないかと願わずにはいられない。

そして親という存在が、いかに主人公にとって、そして主人公と同じ立場の子供達にとって(無論どんな人にとっても)、いかに影響力のある大切な存在かが理解できる。親との信頼関係がこの少年を陥れそして同時に救った。親に否定されることは、他の誰に否定されるよりも、深く心に根をはるものだということ……言葉で綴るよりも重いものであると改めて感じさせられた。
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