和桜

リベレイター 南米一の英雄 シモン・ボリバルの和桜のレビュー・感想・評価

3.4
「人は自由を求める宿命にある。彼らはたくさんのものを奪ったが、自由を求める衝動は奪えなかった。」
19世紀、南米諸国をスペイン帝国からの独立に導いた英雄シモン・ボリバルの伝記映画。
正直映画としての出来は余り良くないし、この人物を語る上でも尺が足りなかったように思う。ただこの辺りの歴史を余り知らなかった身としては、部分部分で勉強になった。

当時の南米諸国は白人、クレオール人、先住民、黒人などの派閥毎で敵対しあい帝国に立ち向かう事が出来なかったという構造的な問題。
奴隷や黒人達が土地を守るための「自由」を勝手に解釈し略奪が広まった件は、法のない自由は危険だという戒めとなった。
スペインが勝手に引いた国境を無くせ!何人からも自由は奪えない!という主張の根底にはアメリカ大陸の子孫だという信念がある。アメリカ大陸の精神をかけた戦いに置き換えて、違う人種の人々をまとめ上げていた。
本を読めば知識は身につくが、こういった雰囲気を映像として感じられるのはこの映画の良いところ。
和桜

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