このレビューはネタバレを含みます
解放者
シモン・ボリバルの半生を描いた歴史映画
シモン・ボリバルは南米を舞台に、スペイン帝国と100を越える歴戦を重ねた
馬で移動した距離は10万キロを超える
軍事活動の範囲は、アレキサンダー大王の領土の2倍に及ぶ
しかし彼の軍隊は征服ではなく、解放したのだ
大コロンビア共和国 ボゴタ
1828年9月25日
襲撃、シモン逃走
スペイン王国 マドリード
28年前
マリア・テレサとの出会い
スペイン王国領 ベネズエラ
マリア・テレサと結婚
ロドリゲス先生「“高潔な野蛮人”」
モンテベルデ将軍
黄熱でテレサ死去
フランス パリ 2年後
ファニー
トーキントン
ナポレオンの凱旋の朝ロドリゲス先生訪問
「抑圧する側とされる側。問題はどちらにつくか」「なぜわたしの所に?」「選択しろ」「パリを選ぶ」「ムダ骨だったな。薄っぺらい男だ」「きっと私は愚かな人間なんだろう」「すべてを諦めるのは妻の死が理由か?」「妻の話はするな。お願いだ」「シモン、君は夫婦の義務から解放されたんだ」「解放?これが?正気で言ってるのか?つらい日々の繰り返しだ」「君は故郷を捨てたが、アメリカ大統領が女のせいでクズになるか?」「女のせいだと?失礼な言い方はよせ。昔は私の一家から大金で雇われてたが、もう子供じゃない。自分の錯乱した幻想を押しつけるな」「君が哀れだ。カネしか持ってない心の貧しい奴だな」馬車に乗り込むシモン、寄りかかって腕を組むロドリゲス、馬車から下りてきて隣に立ち腕を組むシモン「選択はした」ニヤリと嬉しそうに笑い「身の破滅だな」苦笑するシモン
ミランダ将軍
「南米へと戻り革命の指揮をしてください」
派閥(と人種)の多さ
資金
「目的は?」「祖国の解放」
スペイン王国領 ベネズエラ バレンシア
弾薬庫へ移動
第2砲兵大隊アントニオ・スクレ中尉…将軍批判(シモンは前線に)「正直な気持ちです」
プエルト・カベーリョの要塞
「私は戦いたい」「弾薬を守ることも革命の成功を支える仕事だろ」「兵を率いたいのです」「今は命令に従う立場だ」「約束が違います」「逮捕されたいか?」
ビノニ中尉
フェルナンド…衛兵→ミランダ将軍へ増兵の伝言
トーキントン再会…資金援助
捕虜脱走…ビノニ中尉の手引き→要塞奪還
ミランダ将軍…愛国軍の敗北を悟り降伏「裏切りだ」
ベネズエラを出る通行書
土地と財産を没収、密林へ追放
「今日が始まりだ」
サンタンデール大佐…カルタヘナ政府の使者
「私を逮捕しに?」「No! 我々は援軍だ」
「君を追い、村に着くたびにスペイン人が消えていて、マグダレーナ川リュウイキを君が解放したと知ったんだ。カタルヘナはスペインに支配されている。内密ではあるが君を支援したい」
「君は実在せず、ただの神話だと思われていたよ」
「法律のない自由は危険だ」「法は特権階級だけを守る」
「これはただの川だ」
「なぜこんな目に」「愛国者だから」
「スペイン軍は戻る。国王は諦めない。私には分かる。庭球をした時も、往生際が悪かった」
「あなたは、解放者ね」シモンの顔にツバを吐きかけ「息子たちは、このバカげた戦争で死んだの。スペイン人は支配しても家を奪わなかった。家族の命もね」
スペイン艦隊
ジャマイカ キングストン
“1815年9月6日
トーキントン
挫折しながらも旅を続けている
決意も深まった
私は失敗した
周辺諸国を統合する夢を運に頼りすぎ、
戦略的にも資金的にも力不足であった
我々は今後も戦い続ける
奴隷も特権も君主制もなく
思想と表現の自由を憲法で保証する国を造るのだ
地元の派閥の説得だけでなく
世界中の民主主義者に訴えていかねば
南米が正義と平等の基に自由な制度を確立すれば、
ヨーロッパの利益になる
ヨーロッパ諸国や文化人、商人や自由を愛する人は、
スペインの搾取を許さないだろう”
「素晴らしい指摘だ」「トーキントン」「斬新な意見だ。刺激的だよ。だが君が掲げる理想はアメリカ大統領の公約と同じだ」「そのとおり。でも白人だけでなく全人種のためだ」「今まで大勢と出会ったが君には驚かされるよ。ボロボロだがな」「どうも」
カラカスは避け、アンゴストゥーラへ進軍…オリノコ川沿いにある東部の町、僻地、物資の供給に必要な川の町、国中のどこへでも行ける
「私も含めて7人だ」
「兵士は世界中から集める。有意義な戦いだ。軍人なら賛同する」
パエス
アイルランド旅団のルック大佐、オリアリー「ヨーロッパ人が解放に来たのは初めてだ。征服ではなく」
「大コロンビア共和国の誕生を宣言する」
「南米の未来に1万ポンド投資する。カネこそ自由だ」
アンデス越え「ダブリンと同じだ」
パエス拒否
「シモン、手厚く葬ってやろう」
「祖国と同じ?」頷き「温暖な国に来たはずが、誤算でした。お聞きします。下山を考えたことは?」「コルテスが南米に来た時、船を燃やした。スペイン軍は自ら逃げ道を絶ち、勝利したんだ。そして大陸を乗っ取り300年も支配してる。我々の番だ。この山を越えスペイン人を敗北に追い込む。征服を終わらせるんだ」「今船を燃やしたいです」
援軍…サンタンデール大佐
「自由を!」
マヌエラ
スクレとウルダーネタ以外の将軍は統合に反対
地元領土を支配するため全力で統合を妨害する
「聞き耳を立てる。男たちは私の存在を忘れるからね」「こんな美人なのに?」「だから目につかないのよ」
3年後
ボゴタ 議会ホール
銀行設立の提案、トーキントンとの決裂「解放者万歳」
冒頭のシーンへ
サンタンデールの反乱…死刑にすれば統合ができない、生かせばシモンを殺す
「あなたは大統領よ。理想に反する敵とは手を組めない」
ロドリゲス先生「サンタンデールの思う壺だ。自分を殺そうとした奴に未来を委ねるのか?国が分断されるぞ。シモン、君は前人未到の偉業を達成したのに、国民に背いている。理解に苦しむよ。答えろ」「私に答えろと?知りたいか」テーブルに剣を置き「これが答えだ。再び剣を取る。軍も同意した。カルタヘナからベネズエラへ行く。カラカスまで進み裏切り者を鎮圧する。…共和国を再統合する」
「終わったらまた戻る」「さようなら」「元気で」「シモン。あなたが結核だとデマが流れてる。敵は何か企んでるわ。用心して」
フェルナンド…スパイ
スクレ将軍…森で待ち伏せされ撃たれて死亡
“我々の敵は予想よりもはるかに残酷で強力だ。だが毅然と構え、共和国の統合を守らなくては
解放者 シモン・ボリバル”
「ウルダネータに届けろ」
バランキージャ港
1930年12月1日
フェルナンドに用意させた船「誰の船だ?」「我々に忠実なスペイン人です」
「撃て」
シモン・ボリバルはベネズエラに戻らず、16日後に訃報が発表された
公式な死因は結核とされている
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