チィ

スヴェタのチィのレビュー・感想・評価

スヴェタ(2017年製作の映画)
3.3
Q&Aが日本語、英語、ロシア語、日本語手話、ロシア語手話で行われていてあんなに言語が混ざり合った会場に居合わせたことに感動!良かった!!!と、結果は良かった!という気持ちが勝ったんだけど、余りに暗く余りにサイコパスが過ぎて終始ヒェエ〜ってどこか引いてしまっている自分がいた。

言語を話すという表現を排除すると、自分で進んで何かをアピールし、身振り手振りで相手の記憶に残らなければならない。スヴェタという女性は確実に私の中に残ったし、手話という表現方法の力強さを感じた。相手の意識を向けさせる為に、自分の手の平を叩くあの動作は、音が聞こえる私たちからするととても乾いた耳に残るもので。ほぼ話し言葉の台詞がないこの作品にとってとてもとても印象的な効果音だった。

キャストが皆聾唖者で、主演の女優さんは言葉を話せるけど、旦那さんは手話のみで、監督は手話は出来ない。という現場において演出を行い、演技を披露して出来た作品がこれという情報が入っていたらもっと細かなところまで目に止められたかもしれない。実験的であり、世界に披露すべき秀作。
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