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アケラット-ロヒンギャの祈りのmasaのレビュー・感想・評価

4.2
この作品は自分的にはとても痺れた。
監督エドモンド・ヨウ。マレーシア映画。

ロヒンギャの移民問題、ニュースでなんとなく知っていたが、こういう悲惨な現実だとはあまり知らなかった。
ヨウ監督の作品は初めて観たがとてもよかった。
社会問題とラブストーリーの融合。マレーシアの伝統芸能の人形劇なども上手くまぶし、自国だけでなく世界の視点で作品を作り上げる素晴らしい監督だと感じた。

台湾行きを願うフイリンはこつこつバイトして貯めた貯金を失ってしまい、奇妙な仕事に手を出してしまう。それはロヒンギャ移民に対する残虐行為に関わるビジネスだった………

舞台となっている地は多文化多言語が同居しているマレーシアとタイの国境付近。現在ミャンマーから逃れるロヒンギャの人々の「理想郷」だ。
そのロヒンギャの人々をいかに扱うかを描き、現状に対して問題を提起している。
非常に重いが目を背けられない。。
ヨウ監督はそこに、主人公のラブストーリーを融合させ、悲惨さを直情的に観客に訴えようとはしない。そこには隠れたメッセージとして未来への希望の祈りが込められていると思う。

国によって倫理観や考え方はそれぞれ違う。いろんな国の作品を観るとほんとに興味深い。映画の一つの魅力は他の国を知ることができることだと思う。その結果自分の考え方や哲学が広がる。

あと余談ですが、良心との葛藤に悩む主演のダフネ・ローがとても魅力的だった。美しいです。
上映後のサイン会でサインもらってしまった…
家宝にします…
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