ヤマニシ

マリア・ブラウンの結婚のヤマニシのネタバレレビュー・内容・結末

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 爆撃されながら結婚する出だしのシーンが超クール。マリアという女性の半生を描いた作品で、タイトルにもあるように結婚及び男女関係が軸になって話が進む。戦後の厳しい時代を自らのスキルでのし上がっていく様は痛快でもある一方で、だんだんと世間ずれしていき周囲との確執も生まれる。黒人の軍人と結ばれたのは、恋愛以外にも戦後を生き残るための手段だったのかと思ったが、その後の仕事で他の人間にはできないスキルをもって活躍していたうえで雇い主と関係を持っていたので、生き残るための手段というよりは寂しさを紛らわせるためだっただけなのだろう。最愛の夫は刑務所の中なのでむべなるかなという感じだが、当然のごとく男性陣の支持は最初は得られてなかったな。最終的には全員納得づくだったので主人公だけじゃなくて周りの人間も彼女に惹かれるあまり感覚が狂っている気もする。最後は彼女に振り回されるだけではなかったけども。
 とはいえ黒人の軍人さんはかわいそうすぎる。誠実な人だったし、未亡人なのをわかったうえだっただろうに殺されるのはあんまりすぎる。それに妊娠してた話はどうなったんだろう。知らない間に流産してた?
 個人的に好きなシーンは、夫が帰ってきて主人公が目に見えてはしゃいでいるシーン。それまで主人公は世間に揉まれて人格が成熟しすぎてしまったり、夫は刑務所暮らしが長かったりと色々あったが、あの瞬間は新婚に戻れたようでうれしかったんだろうなと思う。
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