「フォックストロッド(原題)のステップを知ってるか。どこへ行こうと同じ場所に戻ってくる」という予告動画が多くを物語っている。
運命とは気まぐれで残酷だ。
無常であっても辛くても素直に受け入れ、
善きことであれば神に感謝したほうがいい。
なぜなら運命は小さき人間が自分の願望通りに覆せるものではないから。
そんな戒めを諭す映画のように思えた。
中盤までダラダラ続くが、
ふとしたカメラワークやカットやセリフにも意味がある。
巧みに仕込まれた伏線なのだ。
マーラーのSymphony NO4~アダージェット。
これが開幕のゴングを告げる。
なぜ、いきなり流麗で優美な名旋律が流れるのか。
ちょっと身を乗り出していたら、、、
地味で退屈な話に思えたが、中盤から後半にかけては
意外な展開が訪れ、まぎれもない傑作だ。
フランス系ユダヤ人っぽい風貌のめんどくさそうな奥さんだが、重要な役柄だった。キレやすい旦那との対比もグッド!
政情不安定なイスラエルだからこそ、
今でもありえそうな話なのでリアリティはあったね。
空き缶、ラクダにも意味を込めていたとは。。