かつてエースだったプロレスラーの大村孝志(棚橋弘至)は膝を負傷して以来、悪役レスラー・ゴキブリマスクとして試合に出場していた。孝志は息子の祥太(寺田心)に自分の仕事を打ち明けられずにいた。
ストーリーは明快で分かりやすく、期待通りに気持ち良く展開していく流れになっており、とても観やすいです。
悪役レスラーという職業を伝えられない父・孝志と、ふいに父の仕事を知ってしまいショックを受ける息子の祥太のぎこちない親子関係の中で、少しずつ父の仕事を分かり始める祥太の姿と、あくまで自分の仕事が好きで誇りを持つ孝志の姿は観ていてとても心が熱くなりました。
孝志役の棚橋弘至を始め、多くの新日本プロレスのレスラーが出演しており、プロレス好きの私としてはそれだけでもかなり楽しかったです。架空のレスラーで登場していますが、レスラーたちの元々のスタイルとほぼ同じなので違和感もあまり無かったです。ドラマの部分としても主役の棚橋はなかなか良かったと思います。
そして、所々で妻の詩織(木村佳乃)が祥太の気持ちを理解して答えてあげるシーンがあり、これが優しさに満ちていて良かった。お母さんはやはりすごいなあと感じました。
下手な小細工無しのストレート勝負な本作のつくりは観ていてとても気持ち良かったです。とても良い作品でした。
鑑賞日:2023年7月24日
鑑賞方法:U-NEXT