・ジャンル
サスペンス/リベンジ/スリラー/スラッシャー
・あらすじ
都会から執筆の為に田舎町の小屋へとやって来た作家のジェニファー
自然に囲まれた静かなその場所は彼女にとって理想の環境のはずだった
しかし間も無く事件は起こる
地元のガソリンスタンドで働く男ジョニーから些細な事で一方的に目を付けられ、彼と仲間達に押し入られ辱めを受けたのだ
どうにか抵抗し逃げ出した彼女は保安官のストーチと遭遇
小屋へと同行してもらう事となるのだがそれこそが地獄の始まりだった…
保安官はジョニー達とグルだったのだ
一行は知的障害を患う青年マシューに彼女のレイプを強要、更に他の全員にも輪姦されてしまう
満身創痍の中、川へと飛び込み姿を消すジェニファー
それを受けて証拠を残さぬ為に保安官はジョニー達に捜索を命じる
そしてしばらく経った頃、奇妙な形で事件の証拠や彼女の所持品が彼らの元に届き始め…
・感想
1977年に実際に起こった事件を元に製作された「発情アニマル(原題は本作と同名)」のリメイク版シリーズ1作目
原作も抑制された世界観と心理描写が巧みな素晴らしい作品だったけど今作も予想以上に良いアップデートとデフォルメのされ方で非常に良かった！
基本的にはシリアスながら滑稽さも端々に見られた原作に対してより緻密にリアルさと生々しさを強調した作風でのリメイクの仕方は「死霊のはらわた」のそれに近い
また大きな変化として被害者で復讐者となるジェニファーよりもジョニーと保安官達の視点に大幅に尺を割いていたのも面白い
身勝手さや小物さ、姑息さを徹底的に描きそれが見事にフリとなっている展開はかなり優秀
特に良かったのがジェニファーの復讐方法で自分にされた事や言われた事になぞらえてこれでもかというほど苛烈な拷問殺人を行なっていく様は圧巻という他ない
ゴア描写や嘔吐、失禁等の不快描写も勿体ぶらずに過激な仕上がりで最高！
全員がそれぞれキツい殺され方ながら力技じゃないのもしっかりしていた(中でも保安官)
原作のか弱く若干不用心な人物像から警戒心が強く体力もある女性へとジェニファーが変わっていた点もリアリティーを強化していて良い
そして何と言っても保安官の共謀と主導という新たな要素が復讐殺人に至る根拠として機能していたり、完全に巻き込み事故の形で共犯にされた知的障害者のマシューへの行動も筋が通っていて抜かりがない
ただ1つ残念だったのがレイプ被害後のジェニファーが絶望する描写が削られていた点
原作で最も印象的だった部分でもあるだけにそこだけは勿体なかったかな…
一応、序盤の段階で廃墟小屋が伏線として映されていたりするとはいえあの茫然自失その物の様子は題材が題材だけに残すべきだった様に思う
拷問時の会話で多少は垣間見えたけど怒りの部分が強かったし…
それ以外はリメイクとしてこれ以上は望めないほど凄まじく大好物だった！
シリーズ化されてるから次作以降が少し心配だけど…w
フランスの名作スラッシャー「リベンジ」が好きな人とかにはオススメ
