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007/ノー・タイム・トゥ・ダイのKanaiSatoruのレビュー・感想・評価

4.5
007 ノー・タイム・トゥ・ダイを観ました!

ダニエルグレイグの最後のボンド、ということで楽しませてもらいました。

遡れば、カジノロワイヤルから、今までのボンドと何か違うぞ、と感じさせる始まりでした。
そして、シリーズを通してその違うぞ感の正体が何となくわかってきた。
その正体は、スマートと必死のバランスでしょう。
以前のボンドは、スマートが前に出ていて、どこかリアリティに欠けるボンドでしたが、ダニエルグレイグのボンドは、とにかく必死さが伝わってくるリアルなアクション。
このアクションを近接バトルと表現する人もいるようですが、まさに格闘シーンがリアルで必死、勝つと分かっていてもハラハラする、この要素がアクション映画には必須なんですね。
😉

非リアルをいかにリアルに見せるか、というのが監督の腕の見せどころ。
そういう意味で、リアルと非リアルのバランス、スマートと必死のバランスが素晴らしかったな、というのが、シリーズ通しての感想です。🤲

さて本映画は、冒頭のお決まりのシーンと、むちゃくちゃなアクションから始まり、掴みはOK🙆‍♂️

そして今回もストーリーは、前回からの続きです。
一話ごとに切れないのが、このシリーズの特徴ですね。
だから、前回捕まったプロフェルドができます。そしてマドレーヌも。
だからスペクター(という組織)がまたもやボンドの前に立ちはだかるのか、と思いきや、ストーリーは、意外な方向へ。🤭

今回、スペクターをあっさり切り捨てて、新しい敵を登場させますが、これが吉と出たのか、どうなのか?

僕的には、サフィン(ラミ・マレック)という敵キャラは、気味の悪さとしては、最高のキャラでしたが、言ってみればそれだけのキャラでしたね。
登場まで、かなり時間を使い、丁寧に登場シーンを演出して見せ場を作ってますが、根本的に足りないところがあります。😤

ここから若干、ネタバレあります、ご注意ください🙇

それは動機です。
動機がよくわからない。
スペクターに復讐することが目的なら、プロフェルドを殺した時点で全滅させたわけだから目的は達成でしょ?
では、ミスターホワイトの家族であるマドレーヌは、なぜ殺さないの?
そもそもあんな馬鹿でかい工場作って🏭
何のためなん?

スペクターに復讐するというのは、オマケで、本当の目的は別にあった?

それらしいことを語るシーンがありますが、右から左に抜けていくセリフ。😩
ちょっとサフィンの毒毒工場建設とその野望が分かりにくい点が評価を下げてる要素ですね。

ただし一方では、ひとつの映画として観た時の素晴らしい点がたくさんあります。

まずアクションシーンが素晴らしいです。👍
イタリアのマテーラという街を車とバイクで駆け回わり、マシンガンを撃ちまくり、キューバでは、アナデアルマス(めちゃくちゃ可愛い)とのターゲット捕獲劇など。
中でも引退したボンドの代わりに別の人間が007を引き継いでいるという、これまたあり得そうで今までに無かった展開も。😄

監督さんは、いくつか受賞歴はあるものの、あまり名の知れた作品は撮っておりせんが、素晴らしいです。
「とにかく終わらせる脚本が難しかった」とインタビューで答えていますが、本当にそう思います。
何事もシリーズを終わらせる脚本ほど、難しいものはないので、この監督さんは、恐らくこれで評価を上げたんだろうな、と想像します。

そういう意味で、今回は、人間ドラマとしての完成度も素晴らしいです。
マドレーヌとの間にまさかの子供誕生!😳
こんな人間臭い展開、007であり得るんですか!
思わず隣に座ってる人と驚きを共有しようとして、無視されました💦

さてラスト。
さきほどの人間ドラマを描いている点で、過去作品とはテイストが異なる007なので、胸にグッとくる終わり方でしたね。

ほんとに死んじゃうの?
実は、、、的なオチじゃないの?と何度も疑って、結局エンドロールまで見て、あ〜ホントに死んでしまったのね。と感慨深い気持ちになりました。😂

過去シリーズ作品にそこまで思い入れがあるわけではなかったのですが、今回のボンドシリーズは、本当に素晴らしい出来だったと思います。👍

今まで007を観たことがない人にも、ぜひ見て欲しいシリーズという意味で、ちょっと甘めに90点でお願いします。
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