小津安二郎のサイレント映画
非常に面白い!
大恐慌時代、会社を解雇された父親とその家族たちが切磋琢磨して生活していく物語。
子供が、自転車を買ってもらえなくて駄々をこねるシーンは『お早よう』を想起しました。
演出が素晴らしい。
特に手遊びのシーン。子供が熱を出して病院代を工面するため父親が服を売る。それに気づいた母親が襖を空けて困るが、子供と手遊びする。
やがて父親と母親は悲しい表情をし涙するが、子供の笑顔を見て、作り笑いをする。この一連のシーンを夫婦のカットバックだけで描いてしまう。
小津のその感覚は素晴らしい。
後半の恩師の先生とのやり取りも面白いし、不景気の現代にも通じるような美しさがあります。
やっぱり辛いときこそ笑わなきゃ!