みきちゃ

ヴェノムのみきちゃのレビュー・感想・評価

ヴェノム(2018年製作の映画)
4.6
IMAX3Dで観るMARVEL映画たのしすぎ。正直「3Dか4Dでアトラクション的に体験する以外の鑑賞方法なら、べつに観なくていいや」と思ってたMARVEL映画。でも、ヴェノムはそういことではなかった。なんとやさしい…。やさしさとかわいさに包まれた。3D加点はもちろん、ヴェノムとトムハの両方がそれぞれの可愛いでとにかくぐいぐい推してくるバディものだったことでキャラ萌え加点も乗っかり、さらに私の心の故郷サンフランシスコ加点メーターが振り切れて、結果、ヴェノム最高。一人と一匹の、歪な二人羽織り芸?漫才??楽しかった!

大味な話で、説明は端的に簡単にとどめ、こちらが拾って繋げられる程度の点をぽんぽん置いてってくれてたので、心の中で御礼を申し上げつつノリノリで拾わせていただいた。

そしてあれこれ考える。以下ネタバレ
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このヘタレなエディ役のトムハが相当かわいい…。エディにはエディなりの強い正義感があること以外、特にヒーローの素質が見当たらない。倫理観も道徳観も、ヒーローのそれらからはほど遠い。職なし恋人なしで、ヴェノムからも負け犬呼ばわりされる始末。

そして相方のヴェノム。ヴェノムの言い分を鵜呑みにした場合、彼らシンビオートは星々を攻めて侵略するといういかにも強そうな種族なのに虚弱すぎである。生命力が強いんだか弱いんだかわからないし、なんせ捨て身すぎるし、あまりにも人権のない特攻隊さながらの生き方。種の継続をかけた重要任務やというのに、せめて往復切符付きで送り出してあげてほしいわ。まじでハードな人生。

そんなシンビオートの中でも落ちこぼれなのが、ヴェノム。エディと同じ負け犬。ヴェノムはヘタレなエディに対して「お前は負け犬だが俺も負け犬だ」と共感し、エディのだめなところを直せとか、更正しろとかは説教は一切たれない。望みはなんでも言えと言うくらい。ありのままのエディをただ肯定し、享受するヴェノム。やさしい。とてもとてもやさしい。

そんなヴェノムへのお返しなのかどうなのか、エディもヴェノムに対してやさしい。"悪い"人間ならば食っていいよと、ヴェノムの好みを尊重する。で、その悪い人=エディ的にウザい奴という曖昧さのアンチヒーロー。続編でキーになりそうなかなりあやうい要素。キャッチコピーの「最悪」がまさか互いをありのまま認め合う種類の"最悪"だとは思ってなかった。

ヴェノムにはエディがいるし、エディにはヴェノムがいる。ヴェノムのおかげで自己肯定感が増したかもしれないエディは、ヴェノムと身も心も一つになり、漫才的な掛け合いをしながら、共存?共生?の道を歩みはじめる。俺たち最強yay♪

乗り換えのためのキスシーンで、アンが「That was your buddy’s idea」と言ったのを聞いて、困惑した様子のエディがまたかわいかった。キューピッドを買ってでまくるヴェノムまじなんなん。私からは人の頭はあげられへんので、代わりにチョコとポテトをたくさん差し上げてあわよくば餌付けたい。

トムハはやっぱりすごいなー。トムハだからこのブラックコメディ感が出せたと思った。サンフランシスコの街でのバイクチェイスは、ヴェノムの蠢く特性とも坂道とも相性よくて、バイク一台でもめちゃくちゃかっこよかった。バイクチェイスは数で勝負な映画が増えてる気がする昨今、バイク一台ぽっきり勝負で挑んできたことがかっこいい。支持!

ということで、一人と一匹、とてもかわいかった。えっ、トムハ可愛い推し?いやまって、ヴェノムも可愛い推し??と一回戸惑わされたのもよかった。続きを待つ楽しみができた♪

エディ「That’s a dead-end!」
ヴェノム「Not for us!」
みきちゃ

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