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白い鳩のmamのネタバレレビュー・内容・結末

白い鳩(1960年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

独特な構図で映し出される詩的な映像が、只々美しくて...。
チェコスロバキアの建築物が奏でる造形美にも魅了されてしまう。

伝書鳩の競技大会で出遅れた白い鳩を待つ少女。バルト海の広い空を幾日も見つめている...。
迷子になっていた白い鳩はプラハに流れ着き、鳩を撃ち負傷させた車椅子の少年と、その鳩を拾ったアーティストとの交流が始まる。
虐められフェンスから落ちて車椅子になった少年だったけれど、鳩との交流を深めるうち、徐々に回復していく鳩のように少年の足も動くように...。
行方不明の鳩を探す少女の存在を知ったアーティストは鳩の絵を送り、少年に鳩を逃すよう伝えるが愛着の湧いた鳩を手放したがらない。けれど最後にはそっと放ち鳩が飛び立っていくのを見守る少年。落ちた鳩の羽根を追いかけ、友達との交流がはじまる予感のラストも素晴らしかった。

アーティストが指などを使って鳩の絵を制作しマーブリングのように紙に写しとる技法がとても興味深く、作品の独特な世界観に魅入ってしまった。

2022-319
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