じゅぺ

漫畫 魚の國のじゅぺのレビュー・感想・評価

漫畫 魚の國(1928年製作の映画)
4.0
漫畫 魚の國、みた。デフォルメされながらも生々しさを残す海の生き物たちのデザインが強烈。しかも敵の鯨がアゴから真っ二つに裂けたり、尻尾がちぎれたり、やたらと酷い。プロパガンダ的要素も強く、これを国の金でつくったとは、いま考えるとあり得ない。おもしろい資料です

あのオチがすこし意外で、これが魚同士の戦争の話で、しかも日本がこのあと戦争の道に進んでいくんだと考えると、侵略と敗戦の歴史を予見しているようで皮肉だな。日清、日露、第一次大戦と負けなしだった日本は「勝って兜の緒を締め」ていたら、あそこまで愚かな真似はしなかったんじゃないかと

ちなみにこれが製作された1928年は治安維持法の改正と特高警察の設置が行われた年で、あとから考えると結構重要なターニングポイントだったりする
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