たむ

Boris Godounov(原題)のたむのレビュー・感想・評価

Boris Godounov(原題)(1989年製作の映画)
3.5
『ポゼッション』などの刺激的で過激な暴力と性の壮絶な映画を作ってきたアンジェイ・ズラウスキー監督のオペラ映画です。
舞台劇の映画化といえば、舞台の脚本をもとに劇映画にするもの、舞台をそのまま映して映画にするものがありますが、本作はオペラをそのまま劇映画にしたとてつもないスケールの映画です。

ロシアの皇帝を描き出した内容を城も戦の陰謀もオペラの歌を歌いながら展開するので『レ・ミゼラブル』と近い印象です。
それをあくまでも舞台劇ですよ、1989年の作品ですよ、というの事を時々意識させてきます。
1989年は米ソの冷戦が終結したり、激動の時代。
帝政ロシア時代の大混乱を現代にも通じる繰り返される歴史という大きな視野を持ったスケールの巨大な作品ですね。
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