Jimmy

闇に浮かぶ犯罪のJimmyのレビュー・感想・評価

闇に浮かぶ犯罪(1942年製作の映画)
4.0
シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞🎥

原題『Eyes in the Night』というフレッド・ジンネマン監督作品。
1942年の監督初期作品だが、とっても楽しい映画だった。なかなかの佳作。

盲目の探偵、探偵の盲導犬の活躍がユニーク。
そして、闇の中での銃声⇒発砲の閃光は、「盲目の人にとっては、暗闇は日常なんだから、こういうクライマックスもありじゃないか…」と監督が思って作ったように見えた。とても効果的な盛り上げ方は、さすがジンネマン。

物語は、ある盲目の探偵を訪ねて来る知り合い女性。彼女の元カレがゲス男なのだが、彼女の夫の連れ子(=17歳の義理の娘)がそのゲス男と付き合い始めたため、相談に来たのだった。
17歳の娘がゲス男の部屋に行くと、彼は殺されていた。(当時のコードのためか、死体は映らない。)そして、殺された男の近くから出て来た義理の母親。娘は「義母が殺したんだ…」と思う。
義母の夫は科学者で物凄く金になりそうな研究発表に出かけるが、彼の研究成果を狙う一味がいた。研究成果を奪おうとするワル一味だが、肝心な計算式が書かれておらず、それは彼の頭の中。……このあたり、ヒッチコックの『引き裂かれたカーテン』に似ている。
そして、一連の真相を知った盲目の探偵は銃で殺されそうになる。盲導犬に手紙を託していたが、どうなるのか……といった雰囲気。

フレッド・ジンネマン監督が、こんなに見事なノワール映画を作っていたとは知らなかった。
とても楽しい映画で幸せな時間だったので、未ソフト化が惜しい作品。
Jimmy

Jimmy