コクソンやチェイサーなどで知られるナホンジンが監督したブラックコメディ映画。完璧主義者の料理人が自らの肉体を犠牲にしながら料理を完成させようとする話。
如何にもナホンジンらしい作品でした。今作は彼がまだ無名の頃に撮った作品ですが、ポンジュノ、パクチャヌク以降に顕著となったバイオレンスにコメディを入れるやり方が上手く機能していたと思います。つい一ヶ月くらい前にコクソンを見返したんだけど、あの映画も食事シーンが多いし、キノコとかゾンビになる下りを含めても、もしかするとナホンジンは食に対して独特なこだわりがあるのかもしれません。あとこれは韓国映画あるあるではありますが、今作は結構SEが良かったです。ぶっちゃけ撮影とかライティングとか劇伴はどこの国でもありそうな感じだったし、役者の演技も微妙でしたが、SEだけはちゃんとしていたと思います。とは言え、ナホンジンは前述したポンジュノやパクチャヌク、イチャンドン、キムギドクのような個性の秀でた監督のレベルにはまだ2、3歩届いていない気がします。
