むっしゅたいやき

蜂の巣の子供たちのむっしゅたいやきのレビュー・感想・評価

蜂の巣の子供たち(1948年製作の映画)
4.3
『按摩と女』、『簪』で淡々とした日常の中の、ほんのりと淡い期待や感情の機微を描いた清水宏監督作品。
復員兵と戦災児を主演に据えた、ロードムービーです。

80年近く前、まだ子供にとっても死が身近であった頃の物語。
物語ではあるものの、本作のよし坊に似た話は実際そこかしこに在ったであろう事は想像に難くありません。
見慣れたこの国の風物を舞台にしているからこそ、海の見える丘の上、〇〇での懺悔に更に深く心を抉られました。

本作はロードムービーとして孤児達のシビアな生活をも淡々と描かれてはいますが、子供の成長にとって何が大切なのかを改めて示す作品です。
途中復員兵の「おじさん」が、「お姉ちゃん」に話す"子供へ与えるべき物"には深く頷かされました。

しかし最後、あの「おっさん」まで迎えるんですね、少々意外でした。
因みに、未だにあの主題歌が耳に残っています。
『蜂の巣 蜂の子 ぶん ぶん ぶ~ん』、これ、癖になりそうだ…。
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