千年女優

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2の千年女優のレビュー・感想・評価

3.5
屋敷しもべドビーの献身で命辛々逃げ出すも、死の秘宝「ニワトコの杖」をヴォルデモートに奪われて窮地に陥るハリー・ポッター。僅かな望みにすがって残る「分霊箱」をロンとハーマイオニーと共に探す彼が、次々と明らかになる真実を辿ることで自らに定められた宿命を知り、宿敵との最終決戦へと臨む様を描いたファンタジー映画です。

2001年の『賢者の石』から足掛け10年を経て公開されたシリーズ第八段にして最終作で、本シリーズで見出されたダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソンの三人を始めとするはまり役のキャストがほぼ続投する盤石の体制で製作に臨み、当時では歴代三位の記録となる13億ドルの興行収入を記録して有終の美を飾りました。

苦慮した原作からの取捨、多用し過ぎたどんでん返し、万能な魔法への過信といったシリーズに共通する弱点は見受けられますが、散りばめられた伏線を収集して大団円へと繋げています。やや統合に甘さを感じる所はあってもこれだけ多様なキャラクターと要素のある物語をその魅力を引き出しながら完走した幸福に浸らせてくれる一作です。
千年女優

千年女優