TaiRa

クリストファー・ウォーケンのアクターズ・ラブ/舞台は恋のキューピットのTaiRaのレビュー・感想・評価

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ジョナサン・デミが監督したテレビ映画(オムニバスドラマ『American Playhouse』の一編)。原作はカート・ヴォネガットの短編『こんどはだれに?』(『モンキー・ハウスへようこそ』収録)。スーザン・サランドン、クリストファー・ウォーケン主演。音楽は元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイル。

デミが後に撮る『スイング・シフト』『サムシング・ワイルド』『愛されちゃって、マフィア』といったロマンティック・コメディ作品にあるスクリューボール・コメディっぷりは、この作品で既に発揮されいている。下町のメソッドアクター兼コミュ障青年のウォーケンと地味系女子のサランドン。二人が出会うオーディション場面のハチャメチャな面白さ。上演する作品が『欲望という名の電車』で、スタンリー・コワルスキーを演じるウォーケンは、舞台や映画でこの役を演じたマーロン・ブランドのような豪快さを見せる。デミの撮り方も、カメラ目線の正面アップや、長回し、移動撮影など観ていて飽きない。粋なハッピーエンドは、よくよく考えると恋愛や結婚に対する批評とも取れる。その点はヴォネガットの原作にあるのかな。ポップで可愛らしい小品でした。
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