もめん豆腐

勝手にふるえてろのもめん豆腐のレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
3.9
これは『私をくいとめて』にさらに濃度を上げたド変態映画。脳内変態が爆走し松岡茉優さんの独壇場。クセの強い役をやらせたら若手(35歳未満)の実力派役者、女性版だったら10本の指に入る。のんちゃんと松岡茉優さん、このままクセ強でよろしく。
全然関係ないんだけどあてくしは喋るの遅い。だから早口だと何言ってるのかわからんってなる。遅いのもどうかとは思うが、この良香の妙な早口がヲタクを感じさせ、そして聞き取るのに難儀したわ「ん?君は今なんて言うたの?」って何回か巻き戻した。こんなこと言っては何だが松岡茉優本人のヲタ活の日常が活きたと思う。バラエティでのあの話し方を見る限り本気のヲタであるのは間違いない。加えて、演じてない松岡茉優は非常に苦手である。うるさい。
序盤から「そんなことあるかな〜?」と不思議に思うようなことが、後半で「あ〜、そういうことね」とわかるソフトな回収もあり。それが少し悲しくもあった。でもね〜、そりゃそうだわ。話に現実味もないしソフトミュージカルな本作。モテしか知らない女性はいざしらず、片想いの辛苦をなめたことがある女性なら少しは共感するところもあるはず。
それにしても綿矢りさ先生はどう見てもかわいいし、さっさと結婚して子供もいて、何故こんなに拗らせ系女子を描くのが得意なのか皆目わからん。『私を食い止めて』もそれなりに拗らせてる。読んでみようかなと僅かながら心は動くが好きな女性作家が桐野夏生先生と川上弘美先生で、人が死ぬかクセ強でないと食指が動かない😐
10代前半の頃に「この世でお互いにお互いを好きだと感じる相手がいて、付き合うって奇跡じゃね?」と思っていた。しかし後半になると案外あるんだな、とわかるものの、それでも自分が大大大好きな人からは好かれずに、は?なんであんた?ってのに熱烈に好かれて困ることの方が“圧倒的に”多かった。良香だとイチからは想われず二からは熱く求められる、この苛立ち。これがイチだったらいいのに!!!ってこと、奥さま、あったでしょ?同時期に両想いって奇跡っすよ。
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