さすがのヴァルダさま。
救いなどない現実世界を
ガッツリと。
働きたくない縛られたくない
自由でいたいと
ひとり旅をする若い女が、
死に至るまで堕ちていく姿を
擬似ドキュメンタリーとして追う物語。
彼女のバックグラウンドの説明はなく、
ユーモアもほとんどなく、
汚なさや冷たさがだけが画面に増していく。
人生が冷え、
腐敗してゆく様にゾワゾワする。
激しい言葉はなくとも
ショッキングな感覚を受ける。
足首に巻きついた赤い布が
ブーツの中布と気づいた時なんかは
終わりというか絶望を感じた。(そこ?)
不思議なことに
出てくる男たちは彼女を誹謗し、
出てきた女たちは彼女を羨望する。
是もまたリアル。
ヴァルダ監督の「やり方」には
毎回唸らされる。
その先に光はないけれど
女だってやれるんだを感じつつも
噛みしめて苦くなる良作。
素晴らしいと思う。
旦那っちのドゥミと全然違うのよー。
ドゥミもヴァルダも
どっちも好きだけどね!(吠