順風ライフseason4

南の島に雪が降るの順風ライフseason4のレビュー・感想・評価

南の島に雪が降る(1961年製作の映画)
3.5
「有害な男らしさ」とか「ホモソーシャル」とか最近よく聞かれるけど、加東大介の過ごした戦時中の部隊ではそういう嫌なかんじがなくてこういう男コミュニティも成立するんだとグッとくる。こういう話どんどん聞かせてよ。女がひとりも出てこないのも良い。
ニューギニア・マノクワリで見放された部隊。物資も届かない、いつ戦争が終わるかも、内地に帰れるのかもわからない。役者一家で既に活躍していた加東大介が劇団をつくる。みんな同じ軍服を着てるけど、手品が得意だとかカツラがつくれるとか戦前はなにをしていたかとか語る。手作りの劇場。死にかけの兵士が命懸けで(川を渡り何日かかけて)舞台を観にくる。女形に、雪に、兵士たちは「内地」を見る。「娯楽じゃない。生活なんだよ。きみたちの芝居が、生きるためのカレンダーになってるんだ。演分は全支隊の呼吸のペースメーカーだぜ。そのつもりでガンばるんだ」偽・如月寛多の青戸役が渥美清なのもよかったなー!

加東大介の戦争体験を加東大介本人が演じる。本人が本人役をやるの、『スケート・キッチン』とか『ザ・ライダー』とかかなり好きです。でも話は原作がいい!加東大介の文章はオノマトペが多くて大変かわいい。