滝和也

劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディングの滝和也のレビュー・感想・評価

3.5
一つしかない命、
その命を守る医療と
何度でもやり直せる、
ともすれば命が
軽んぜられるゲーム、

対極を成すその存在を
テーマとした異色の
平成ライダーの劇場版

「劇場版 仮面ライダーエグゼイド 
 トゥルー・エンディング」

そのライダー達が基本医者。※1名、神がいるのだがw。ゲームモチーフのライダーのスタイル、アクションと言う異色過ぎる設定とデザインに尻込みして中々見れなかった作品。漸くTVドラマを見続け、映画版にたどり着きました。

劇場版は真のエンディングとして作製されたものですが、後日談という所でしょうか。

現実で死に直面した重病の少女がある敵により、精神をVRのゲーム世界に捕われ、その世界に現実世界の人間も巻き込まれていく…。その囚われた人々も昏睡してしまい、ある病となる。主人公エグゼイドは少女を助けるため、その世界へ向かう…といった内容です。※エグゼイドを見てない方にもわかりやすく言うとこんな感じ。

現実世界の不幸か、仮想現実の幸せか。実質上の不幸な人生の命か、精神の幸せを得ての死かと言う、現実の医療チームであるエグゼイド達を否定するかの様な敵に劇場版ライダー風魔、そしてラスボスが控えています。TV後半でもチラチラしてた奴らが絡むわけですね。テーマ的にはTVから繋がる良い内容。60分の短い作品にアクションとテーマをキッチリ入れ込むのは中々難しいのですが、わかりやすく、まとめてますよね。

ただ…エグゼイドを語る上で、避けて通れない方がいます。命と言うものすら超越してしまった諸悪の根源、戦う社長、土管から出てくる男、絶対に殺せない男、平成二期最大のネタキャラ、檀黎斗の存在。私は神だー!とか叫ぶし…。終いには名前が檀黎斗神に変わってる…。ライダーシステムも敵もみんな彼が作った訳ですからね。ライフ100持っていて何回ヤラれてもマリオの土管から復活した彼も残りライフ1でしたね。この方だけはテーマの外に存在してますわ…。何でもありだし。ただこの方のおかげでTVドラマは話が面白くなってきたので最初10話くらいつらかったのですが、何とか見れましたし…。

エグゼイドはテーマは悪くないのですが、どうにもあのおもちゃ感丸出しのライダーデザイン、ブラスチック丸出しのライダーベルトとガシャットと呼ばれるアイテムがどうにも好きになれない。ゲーム的なのはわかるんですが…。ライダーで無ければ全く問題ないんです。ただライダーで無ければ、こんなブッ飛んだストーリーが展開できるわけもなく…。

重たいテーマに軽いデザインと言う対極さが魅力なのかもしれません。そして軽いデザインとライダーである事で重たいテーマ、やりたい事、見せたい事をガンガンやって来るのはありなんでしょう。デザインは別にして、ストーリーは中々できる。キャラが檀黎斗神を中心に全員立っている。ポッピーピポパポが可愛い。と良い部分も多く、これは見て損はないかなと。
滝和也

滝和也