みやび

MEG ザ・モンスターのみやびのレビュー・感想・評価

MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)
4.0
現代版『ジョーズ』って言うと、往年のファンに怒られそうだが、大変よくできたサメ映画!
ガッツリ深いSFを観た後は、こんなポップコーンムービーが最高♪

ジャケットがセンスなさすぎて、ただの「B級サメ映画」と思っていたらとんでもない! ←これでかなり損してる

かなりクオリティが高い作品。
なのにフィルマの評価、低すぎでしょ!いやホント。笑


世界で最も深い「マリアナ海溝」よりもさらに深い海溝を発見した海洋研究所チーム。前代未聞の発見に喜ぶ彼らだったが、深海探索中の潜水艇に謎の巨大生物が襲いかかる。

彼らを助けるため白羽の矢が立ったのは、レスキューチームのダイバーとして活躍していたジョナス(ジェイソン・ステイサム)。

彼はかつて、謎の生物により攻撃を受けた潜水艦から生還したものの、仲間を死に追いやったという責任を取りレスキューチームから脱退した過去を持つ。

ジョナスをはじめとした人間たちと、巨大生物との戦いが幕を開ける。といった内容。


主演は僕が大好きなジェイソン・ステイサム。
今回は、運び屋でもCIAでもファイターでもなく「アドベンチャーヒーロー」!


といっても、頭を空っぽにして観る完全おバカ映画ってわけではなく、「過去のトラウマ」が物語の鍵となっており、そこからくる心理的苦痛を克服する過程などドラマ部分もしっかりしている。


もうひとつの主役は、サメ。

約2800万年前~260万年前まで実在した「メガロドン」と呼ばれる”史上最強の巨大な古代ザメ”で、体長20mにもなる個体もいたとされる。

50mとか100mとか現実離れした怪獣サイズじゃないところがまたいい。

ちなみに、歴代ゴジラのサイズは50~100m。
最新作『ゴジラ -1.0』は50.1m。
(その10cmなに?って思って調べたら笑った。)


巨大ザメに翻弄される海洋チームや怯える人々がよく描かれている。

レビューを拝見すると「もっと人が食われたり、血みどろの作品を期待していた」との声も多いようだが、この作品を撮ったジョン・タートルトーブ監督も主演のジェイソン・ステイサムも、「本当はR指定で作りたかった」 「血みどろにできなくて残念」とインタビューで語っている。

ワーナー・ブラザースほか製作会社が「老若男女観られるサメ映画にせよ」という注文を出し、PG-13指定(13歳未満が鑑賞する場合には保護者の注意や指導が望ましいとされる)に収まるよう、タートルトーブ監督は「ギリギリを狙った」そうで、安心して観ることはできるが、刺激が欲しい人には物足りないかも。

確かにグロさは少ない。ビビるような怖さもない。
ただ僕は、その辺りどうでもよい。笑


怖さはさて置き、映画としてはよくできている。

例えば深海のシーンは、「硫化水素層の下に広がる海」なのだが、そのシーンがまた魅力的。

まるで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に出てくる独創的な惑星のよう。

実際、世界中の深海には、まだまだ発見されていない世界があり、未知の生物がたくさんいるに違いないが、本作で描かれている深海魚や光る生物などは想像力に溢れていて、本当に存在しているようなクオリティだった。

深海探索艇をはじめ、機動力の高い潜水艇も、最新テクノロジーっぽく未来感あって好き。


物語上で絶対に必要ない「ジェイソン・ステイサムが裸になるシーン」は笑った。あれは完全にファンサでしょう。笑


メガロドンは史上最強とはいえ、相当な強度がある潜水艦をボコボコにしたり、噛み砕いたりと、ちょっとやりすぎというかパワーありすぎて笑っちゃう部分もあるが、泳ぐ速度やサイズ感などはリアリティがあって、迫りくる緊迫感や緊張感を味わえた。

メイキングも観たが素晴らしい仕事をしていると思う。
さすがハリウッド。


先日観た、例の映画・・・

あの「追われても緊迫感の欠片もない」、襲ってくるというよりもモゾモゾ泳いで、爆弾を口にコロコロ入れたままノロノロ付いてくる『ゴジラ -1.0』の、やる気のない”東宝のゴジラ君”とは大違い。

※ゴジラファンの方ごめんなさい。<m(_ _)m>


個人的にはとても面白かったので、かのスピルバーグ監督が撮ったサメ映画の代名詞『ジョーズ』の興行収入を超え、サメ映画の歴史を塗り替える世界的大ヒットとなったのはうれしい。


『ジョーズ』と言えば、オマージュも。

例えば、海をちょこまか泳ぐ小型犬の「ピピン」。

『ジョーズ』にもスピルバーグ監督の愛犬が「ピペット」の名で登場しているが、これが元ネタ。


特筆すべき点として、この作品は音が良い。

劇伴は、『イコライザー』と『イコライザー2』でもレビューした、僕の好きなハリー・グレッグソン=ウィリアムズ。

今回もいい仕事をしている。

それとSEも面白い。

破壊音だけでなく、深海などの低周波や、潜水艇の音のリアルさ、メガロドンが海洋研究所「マナ・ワン」に現れた時の振動など、ものすごい迫力。

我が家は、B&WのサブウーファーASW610をマランツのアンプCINEMA50で駆動させているが、不気味な雰囲気が演出され、唸りっぷりがヤバい。

音質が優れた映画としても◎


そうそう。

ジェイソン・ステイサムって、実は元々「飛び込みの選手」という経歴があったのは意外と知られていない。

▼当時の映像(01:06辺りから観られます!)
https://youtu.be/AiAnWmlT4Bc


続編『MEG ザ・モンスターズ2』の方が面白いと言われているようなので、楽しみ♪
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