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ハリソン・フォード 逃亡者のkuuのレビュー・感想・評価

3.8
 『ハリソン・フォード 逃亡者』
原題The Fugitive.
製作年1993年。上映時間130分。

アメリカTVシリーズの中でも最も有名な『逃亡者』をハリソン・フォードを迎えて完全オリジナル映画化した娯楽作。
妻殺しの容疑を晴らすべく逃亡を続けるリチャード・キンブルと、執拗な追跡を続けるジェラード警部(タフネスぶりを如何なく発揮したトミー・リー・ジョーンズは見事、アカデミー助演男優賞を獲得)の確執を軸に、つるべ打ちのアクションで見せる。

優秀な外科医キンブルは妻殺しの容疑で逮捕されてしまうが、護送途中に起こった事故に乗じて逃亡を図る。自らの潔白を証明するため、片腕の男を捜し始めるキンブル。
一方、連邦保安官ジェラードがキンブルの追跡を開始。逃亡を続けるキンブルは真犯人を見つけ出すことができるのか? 

物語なおいて、優れた知能を持つ2人のキャラが知恵を出し合うことほど、見ていてスリリングなことはない。
スリラーてのは、大げさなプロットや技術的なことは必要ない。(最近の超大作の配給会社はそう考えているかもしれないが)
ハリソン・フォードとトミー・リー・ジョーンズの演技、そしてこのセンセーショナルな映画が放つヒッチコック的なオーラに、ただただ興奮した。テレビシリーズを原作とする映画が最近は見かけなくなったが、今作品は、そのような日常的なモンに加えられるような作品ではないことは確かかな。
ハリソン・フォード)は、妻(セーラ・ウォード)を殺害した冤罪で死刑を宣告された血管外科医、リチャード・キンブル博士を演じている。
護送バス事故とゴミの衝突から逃れた彼は、シカゴ警察、特にジェラード中尉(トミー・リー・ジョーンズ)率いる連邦保安局から逃げまどうことになる。
同時に、キンブルは自分の無実を証明し、誰が妻を殺したのかを突き止めようとする。
その結果、悪名高い "片腕の男 "の捜索とともに、医学界の陰謀が絡まり合うことになる。
これは表面的な装飾を必要としない単純な筋書きでした。
映画ではいつもドラマチックな存在感は薄く、繊細だが影響力のある人物像が多いフォードですが(個人的な見解)、キンブルの役にぴったりとはまり役になっている。
この役では、メロドラマのように突出した役者は必要ないんかなぁと。フォードは、逃亡者という役柄をさりげなくこなし、派手さはないが知性と風格を感じさせるキャラを演じている。
ジョーンズは、極めてユーモラスでありながら、冷静に勤勉なキャラを作り上げてました。
彼の目的はただ一つ、与えられた任務を遂行することであり、敵対する警察やリチャード・キンブル自身など、彼の邪魔をするものは何一つない。この映画の魅力的なヒッチコック的要素の1つは、観客がどちらの側にもつかないようにする方法です。
フォードとジョーンズのどちらかが登場するとき、観てる側は常に両者を応援しているのです。
両者に親しみ、両者に等しく愉快にさせられる。この映画のフィナーレは。。。ですが、この応援のコインの両面を満足させるものである。
今作品では、観てる側の興味を引くために、物が爆発したり銃が暴発したりするのではなく、単純な映画の道具を使ってサスペンスと興奮を作り上げている(ただし、オープニングの驚異的な衝突シーンはある)。
素早いテンポ、退屈しないストーリー、そして素晴らしい俳優たちによって、今作品はこの20間くらい前の作品とは思えないスリリングな作品でした。
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