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エクスペンダブルズ ニューブラッドのkuuのレビュー・感想・評価

3.5
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
原題 Expend4bles  映倫区分 R15+
製作年 2023年。上映時間 103分。
シルベスター・スタローンを筆頭にアクションスターが多数集結して話題を集める人気シリーズ第4弾。
スタローン、ステイサムのほか、シリーズレギュラーキャストではドルフ・ラングレン、ランディ・クートゥアも出演。
カーティス・“50セント”・ジャクソン、ミーガン・フォックス、トニー・ジャー、イコ・ウワイス、アンディ・ガルシアらが新たに参戦した。 メガホンをとったのは、『ネイビーシールズ』のスコット・ ウォー。

自らを『消耗品』と名乗り、CIAから依頼される数々の難関ミッションを乗り越えてきた最強の傭兵軍団エクスペンダブルズを率いるバーニー・ロスは、CIAからの新たな依頼にこたえるため、かつての相棒であるリー・クリスマスを訪ねる。 バーニーと再び組むことを決意したリーがエクスペンダブルズのアジトに足を運ぶと、そこにはかつての仲間たちに加え、新たなメンバーも顔をそろえていた。
新戦力を迎えたエクスペンダブルズが挑む今回のミッションは、テロリストが所有する核兵器を奪還すること。
もし失敗すれば第3次世界大戦が勃発しかねないという危険なものだった。

『エクスペンダブルズ』にブルース・ウィリス、ジェット・リー、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、アーノルド・シュワルツェネッガー、ミッキー・ロークらが出演していたなぁくらいで、誰がなに役で出演しているかなんて、映画ごとに正確に覚えていない。
しかし、最新章の『エクスペンダブルズ ニューブラッド』は、この低迷するシリーズを復活させるためのケース作りに真摯には向き合ってた。
(映画の出来映えは置いといて)
特にジェイソン・ステイサム。
何かの映画の記事に、ジェイソン・ステイサムが『エクスペンダブルズ』への愛を語ってた。  共演のシルヴェスター・スタローンについては、『シルヴェスター・スタローンと仕事をするのは、ピンチを超える瞬間だ。 彼の映画を見て育ったことを思い出すし、彼が監督し、彼がプロデュースした映画に出演し、スライ(スタローンのこと)と肩を並べるなんて、アクション映画を愛する男なら決して鼻にかけない特権だ。 つまり、素晴らしいことなんだ。 彼が望むだけ出演するよ』とまぁ、小生はしがない市民だしスライ作品に出ることは一生ないとは思うが、スライ作品を観て育ったし、勝手にステイサムに#M2なんて思い、ジェイソン・ステイサムの気持ちが伝わる作品やと感じた。
ストーリーは個人的にはこないなジャンル作品として見ればこんなもんやろし、手に汗握るシチュエーションをいくつかあった。
気分を明るくする笑いも少なくない。
全体を通して空振りでもエエし振り切ってはもらいたかったのは残念なとこやけど。
シルベスター・スタローンとジェイソン・ステイサムの息も完璧とまでは云わないけど良かったかな。
ステイサムの思いを知ってから観たしかもしれないが。
また、映画が長引くこともなかった。
『エクスペンダブルズ3』とは異なり、今作品は103分。
クレジットを除けば95分位の短い上映時間でした。
因みに『エクスペンダブルズ』てのは、諜報機関が秘密裏に厄介な仕事を片付ける際に頼りにする、陽気な傭兵集団のことで、そう考えると、彼らは映画『ワイルド・スピード』に登場するクールで熱い奴らのようなもので、少しおバカ度が低いだけかな。
チームを率いるのはバーニー(スタローン)とその右腕リー(ステイサム)で、彼らは互いを愛しているがゆえに常に侮辱し合っている。
おそらく、お互いに夢中になっているせいで、自分たちのチームが映画ごとにメンバーを変え続けていることに気づかないに違いない。
このシリーズのほのかな笑いどころは、新メンバーがあたかもずっとそこにいたかのように描かれるとこ。
今回はラッパーのカーティス・"50セント"・ジャクソンが仲間に加わり、ミーガン・フォックスとレヴィー・トランも加わり、アンディ・ガルシアはCIAの連絡係マーシュを演じていた。
映画は、かつてリビアの独裁者モアンマル・ガダフィが所有していた化学工場への突然の攻撃という衝撃で幕を開ける。
国際的な盗賊団は数分のうちにこの場所を消し去り、その光景はある種の娯楽的なものではあるが、不穏なものとなる。
悪党どもは核兵器の起爆装置を探している。
彼らの任務は、起爆装置が邪悪なスアルト(イコ・ウワイス)の手に渡るのを阻止すること。
それができなくても、少なくとも彼が起爆装置を使うのを阻止しなければならない。
そう考えると、『エクスペンダブルズ ニューブラッド』のストーリーは、最近の6本のスーパーヒーロー映画のそれとまったく同じで、モノマネ好きの悪役が万能の宝石や石や魔法の彫像のかけらを手に入れたら、宇宙(あるいは多元宇宙)が破壊されてしまうというちゅうもんに似てなくはない。
しかし、少なくとも『エクスペンダブルズ』は、核戦争というメタファーを文字通りに表現している。
映画の掛け合い、キャラ、テンポ、アクションシーンのほか、今作品は正直すべてが馬鹿げている。
しかし、馬鹿げていても、個人的にはさほど問題にはならなかった。
例えば、悪者たちの見事な計画は、ロシア海域で核爆弾を爆発させ、米露間の第三次世界大戦を引き起こすこと。
彼らは第三次世界大戦がビジネスになるとマジに考えているから。
彼らのビジネスとは?
ガイガーカウンターの販売?
まったく馬鹿げてはいる。
今作品の最年少メンバーであるガランなど、この映画が面白いことをちゃんとやっている限り、気にする必要はない。
ガランは『エクスペンダブルズ3』でアントニオ・バンデラスが演じたキャラの息子で、ジェイコブ・スキピオはバンデラスの最も強烈な時の真似をして彼を演じていた。
映画はそれを演じすぎず、ガランが何かを云うたびに笑えるだけのセリフを与えている。
『エクスペンダブルズ』シリーズは、魂に響くような、考えさせられるようなキャラ造形が目的ではなく、各々が大好きなアクションスターたちにオマージュを捧げ、ノスタルジーの糸をたぐり寄せる楽しいアクション映画やと思う。
その "陳腐さ "や "くだらなさ "もポイントのひとつやと思えば、楽しめるやろし、続編があれば単純に楽しめる映画としてまた見るやろな。
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