nana

ユリゴコロのnanaのレビュー・感想・評価

ユリゴコロ(2017年製作の映画)
3.5

逃げ出したくなる優しさ

容赦がない
あんなに愛され、思われたら果てしなくつらくなる。

愛し方がわからないから
痛みがわからないから
私はやってしまう。傷つけることを。
 
どうして受け入れるのですか?
 あなたはわたしを。

「私にはユリゴコロがない」
心のより所、ユリゴコロ。
無くして生まれてきた。

葛藤している。
大切なあなたと出会ってから。


悲しい殺人者と神のように優しい男。
許されない罪と過去と今。
吉高由里子の怪演と松山ケンイチの温かさが堪らなく胸を突き刺す。

サイコパスな女性が初めての恋で変わっていく。

 でも消せない大きなものが二人にはあった。

生まれつきのどうにもならない特性。
“個性”と呼び方が変わっても。

 悪人にも心はあった。


守られてきた
守りたい、大切な人を。
でもわからない。普通の“守る”こと。



殺生と愛
純粋と痛み

このせつなさには容赦がなかった
nana

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