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ゲット・アウトのhorahukiのレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
4.4
うっはーーめっちゃオモロイやんけ!!
前評判が凄すぎて、かなりハードルあげて見に行きましたが、余裕でそれを超えてくる面白さ。『ブレードランナー2049』が盛り上がってる中、こっちを選んで正解でした♫ブレランもいずれ見に行きます!

最初から最後まで画面に釘付け。基本的には終盤まで何も起こらないんですよ。でも、良いタイミングで良い感じに展開を変えてくるから全く飽きないし、そもそも何も起こらない間の異様な緊迫感でハラハラしまくりで、何が起こるのかとずっと心臓バクバクさせながら夢中で見てました。入り込みすぎたせいで、途中本気でビクッてしちゃいましたよ(^_^;)

一応あらすじ…
黒人の主人公と白人の彼女のカップル。付き合って5ヶ月の2人は彼女の両親宅に挨拶に行くことに。彼女は彼氏が黒人だということを両親に伝えてなくて、受け入れてもらえるかどうか主人公はドキドキ。実際会ってみると、すんなりと受け入れてくれて一安心する主人公でしたが…という話。

楽しいラブコメチックな感じで始まるんですけど、軽快な曲に乗せてセリフなしで主人公たちの関係、職業等を過不足なく提示するオープニングクレジットの手際の良さと絵作りでワクワク♫

そして幸せいっぱいの主人公がその後徐々に違和感を感じていく流れがうまい。白人による黒人差別かと思いきや黒人すら何かおかしい。何かが起こってるのか、それとも何も起こってないのか。彼女の実家にいる黒人使用人が特に不気味なんですけど、演技力が凄すぎて度肝抜かれました。

そんで人物の配置が絶妙。彼女の存在がクッションになってるおかげで、主人公が感じる違和感が急迫性のある鬼気迫るような恐怖ではなくて、忍び寄ってきてるのかどうかすら定かではないジンワリとした生殺し的な恐怖として熟成されていく。ここが本当に怖い。とにかくずっと緊張させられっぱなしなんですけど、とあるキャラがいい感じに和ませてくれます!そのキャラがある言葉を言うたびに劇場で笑いが起こってました。

そして肝心の種明かし。今までの違和感にしっかり一本筋を通す素晴らしい種明かしなんですけど、普通に考えたらちょっと早め。だからその後失速するかなと思いきや、そこからもまた最高におもしろい!最後の最後までしっかり楽しませてくれます。

鹿とか母親とか来客たちの発言とかが伏線として機能していて、しっかりと回収していく脚本も丁寧。建前上は差別なく日常生活をおくってるように思える中にも、心の奥底に根強く残る黒人差別が黒人視点で描かれているのも良かったです。ちなみに牡鹿(バック)は、黒人男性に対する蔑視語らしいです。アジア人の存在もハッとさせられます。これは傑作ホラーでした!
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