みきちゃ

THE BATMAN-ザ・バットマンーのみきちゃのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

なんとまあ。バットマンが病み病みで闇々。げっそりしたロバート・パティンソンが、ゴッサムシティばりに鬱々としていた。これはとにかく陰鬱な映画なんだなということは、冒頭のニルヴァーナで即座に理解。カート・コバーンで映画のムードを完璧に仕上げてきた。

また難しい役を演ってるロバート・パティンソン。だいたいマスクしてるし、マスク取っててもほぼ無表情だし、全体通して台詞が少ないし、本来ならば見せ場であろうアクションシーンだってマスクかぶってるから実際中身がスタントマンなのか、誰やらわからない。引き算引き算なのにこんなに存在感を出せるってすごい。

対するだのさんは、バリバリにだのさん全開の絶好調で、少ないながらも全登場シーンが見せ場。地味なのに派手なリドラーを超好演。いつもは癒しのだのさんスマイルがめっちゃ恐かった。このだのさんリドラーに喰われないロバート・パティンソンはさすが。

共通点が多いバットマンとリドラーは表裏一体。二人とも同じ、自警活動家なのに。

とにかく愉しそうなだのさんが見れて良かった。最後、ジョーカーっぽい人と邂逅してたので続編にも出演してくれそう♪

マッドマックス怒道のワイブズだった女優陣に肩入れしちゃう系の私であるということを抜きにしても、ゾーイ・クラヴィッツのキャットウーマンが最高だった。キャットウーマンかわいいかわいい♪ スタイルよすぎ。ウエスト細すぎくびれすぎ。セリーナとアニカはがっつり恋愛してたんだなぁ。大切な人々を奪われてきたセリーナの怒りと悲しみ。オンナって感じで良かった。一番好きなキャットウーマンになった。

お笑い枠はペンギン。よちよちペンギン歩きを披露してくれるサービスっぷり。ペンギンがコリン・ファレルだとわからなかった!!!どことなくデ・ニーロ寄せなビジュアルで、ストーリー的にも街の雰囲気的にも『タクシードライバー』を想起させられた。

市長"ミッチェル"と検事"コルソン"で「うおーー!ウォーターゲート事件!!」とテンションがあがるなど。米国映画史における存在感がまた濃くなったニクソンくん。しょっちゅう掘り起こされるニクソンくん。亡くなっても、汚名も事件も風化しないニクソンくん。

幼く未熟な精神で、視野は狭くて内向的だったバットマンが、真実を知り、自分と向き合い、現実を正面から見つめて、「腐敗しきった街の希望の光」としての自覚を持つようになるまでの目覚めの物語。最後の女の子とのシーンはなんとも美しかった。

音楽が素晴らしかったー、マイケル・ジアッキーノ!!ニルヴァーナもアヴェマリアも大変効果的。(やたらアヴェマリアだなと思ってたら三度目の正直でだのさんが美声で歌いあげてウケた) エンドロールの曲もやばい。クラシックのマスターピースかのようだった。
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