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THE BATMAN-ザ・バットマンーのkuuのレビュー・感想・評価

3.9
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
原題The Batman.
映倫区分G.
製作年2022年。上映時間176分。

仕返し、報復、返報、しっぺ返し。
お礼参りに、敵討ち。
仇討ち、雪辱、復讐、vengeance.
その後に残るのは。。。
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人気キャラのバットマンを主役に描くサスペンスアクション。
昨夜、コロナ禍人混みを避け日曜日夜8:45分に観に行ってきたが、まさか上映時間176分とは思わず、真っ暗な田舎道を帰りながら映画を染々浸しながら帰れた、そんなほど、個人的には善き作品やったかな。

今作品はマット・リーブス監督がメガホンをとり、ロバート・パティンソンが新たにブルース・ウェイン/バットマンを演じ、青年ブルース・ウェインがバットマンになろうとしていく姿と、社会に蔓延する嘘を暴いていく知能犯リドラーによってブルースの人間としての本性がむき出しにされていく様を描く。
今作品でロバート・パティンソン演じるブルース・ウェインは、故カート・コバーン(ロックバンド親愛なる哉『ニルヴァーナ』のフロントマンであり、ギタリスト、リードボーカリスト、メインソングライターとして活躍していた)にインスパイアされとります。
脚本・監督のマット・リーヴスは、第一幕を書いたとき、ニルヴァーナを聴いていたそうっす。
ブルース・ウェインをこれまでのプレイボーイ版にするのではなく、大きな悲劇を経験し、世捨て人になった別のバージョンがある、と思いついたんだと云ってるそうで、小生もそれは感じたかな。
カート・コバーンは、有名になることが目的ではなく、名声との関係を持ってた。
彼てのは、音楽を愛しとったが、音楽で有名になるということは、彼にとって諸刃の剣やった。。。
って、話がそれまくりやけど、今作中ニルバーナの『Something In The Way』がながれたけど、この曲は、カート・コバーン(Vo/Gt)がホームレスになっていたらちゅう想像のもとで歌われたもので、楽曲やと
"Underneath the bridge / The tarp has sprung a lea(橋の下で / 防水シートが雨漏りをしている)"、
"And the animals I've trapped / Have all become my pets(捕まえた動物たちは / みんな俺のペットになってしまった)と歌われている。
 
"THE BATMAN-ザ・バットマン-"の監督であるマット・リーヴスは様々なインタビューで今回のバットマンはカート・コバーンかから影響を受けたことを公言。
脚本を書いている時に『Something In The Way』を聴いていて、キャラクター造形のカギとなっていることも語っている。

両親を殺された過去を持つ青年ブルースは復讐を誓い、夜になると黒いマスクで素顔を隠し、犯罪者を見つけては力でねじ伏せ、悪と敵対する『バットマン』になろうとしている。
ある日、権力者が標的になった連続殺人事件が発生。
史上最狂の知能犯リドラーが犯人として名乗りを上げる。
リドラーは犯行の際、必ず『なぞなぞ』を残し、ポリスや優秀な探偵でもあるブルースを挑発する。
やがて政府の陰謀やブルースの過去、彼の父ちゃんが犯した罪が暴かれていくが。。。

映画『ジョーカー』とか『バットマン』の単体映画が『ダークナイト』(2008)に迫るとは(映画『ジョーカー』に至っては肩を並べてるかな)、当時は想像でけへんけど、実際、驚きの小生はここにいる。
まるで一生分の遅れをとったかのように、バットマンはついにその残忍な栄光のすべてを手に入れたのかのようでした(劇場でみたし激情的にはなってるしかな)。
もちろん、マット・リーヴス監督は、その鋭い観察眼で、これまで見たこともないような冷酷で火花の散るゴッサム・シティの環境を作り上げてたし、また、これまで見たことのないバットマン/ブルース・ウェインを選ぶよう努めたと思う(観客が好む好まざるは別として)。
ほんでもって、これまで見たことのないようなバットマン/ブルース・ウェインの悲しみや犯罪者に対する抑えきれない怒りといった生々しい感情を表現するよう努めたんやろな(ここは云いきれる)。
彼は、意外にも(?失礼ながら)ロバート・パティンソンという逸材を見つけ、ロバート・パティンソンもまた、めちゃイケ個性的に演じ、否定的な人たちが完全に間違っていることを証明した。
ゴッサムの腐敗、強欲、恐怖に焦点を当てた魅力的な前提で、ストーリーは決してあきらめず、絶対的なビュンと弾丸のような結末へと導く勢いをつけ続けていたし長さを感じなかったかな。
意外にもミスるバットマンには好感が持てたが、キャットウーマンのマスクはもうちょいイカした造形にならんかったんかなぁ。
日本の泥棒のほっかむりを連想してもて笑えてしまった。
今作品には、多才な雰囲気もある。
ある時は、カーチェイスを手に汗握りほど見せ、また、よく振り付けられた戦いや銃撃戦が繰り広げられるアクションはたまリマ1000でしたし、
また、ある時は、ハっラハラドっキドキのサスペンススリラーでもあった。
ほんでもって、登場人物の内面に入り込んだエモいドラマでもあったっすわ。
せや、最も個人的にウキ~ウキモンキッキ~なテーマの一つは、今までのバットマン映画にはなかったスリラー、いやホラー的かな~の側面があることでした。
それが全体の雰囲気にとてもよく合っていたし、やっぱり、演技は巧みやったし良かったんかな。
これだけのキャストが揃えば、期待せずにはいられんってマジに。
先に述べたように、パティンソンは素晴らしかったし、ポール・ダノは老いぼれてサイコチックな輝きを放ってた。
ジョン・タトゥーロはカーマイン・ファルコーネを見事に演じてました。アルフレッド役のアンディ・サーキスはとてもクールやった。
ピーター・サースガードとジェフリー・ライトも素晴らしかった。
せや、この映画は個人的にはコリン・ファレルやったなぁ、ペンギンを演じてたんはじめ気がつかんかった。
ドラマ版の『ゴッサム』のペンギンとは違った。
彼はまさに象徴的で、陽気で危険な存在でした。
彼の義肢は信じられないほどで、それをとてもうまく着こなしてた。
ゾーイ・クラヴィッツも素晴らしい。 ビジュアルとサウンドの面やと、ゴッサムに求めるもの、それ以上のものがすべて揃ってたかな。
光り輝く鮮やかな色彩と、完璧に表現されたテーマが至る所にあったし。
おそらく、これまでのバットマンの中で最も見栄えのするビジュアル映画ちゃうかな。
サウンドトラックもまた驚かせてくれたし、映画のペースを保っていた。
全体として、今作品はかなり期待していたが、ここまでお気に入りバットマン映画になるとは思ってもみなかった。
この映画には、 "The Dark Knight" TDKの3部作のような、ノーラン監督ならではの完成度の高い、ユニークなバットマンが登場したし、パティンソンのバッドマに疑問を持っていた小生は、ぶっ飛ばされた。
関西弁でかくならバチバチにイワされました。
まぁ、アクションは素晴らしかったけど、最後の惨事の展開🌊は、チョイはしょって終わりに向かってあっけなかったかな。
このバージョンのバットマンとその悪役をさらに拡張する続編が待ち遠しい最高の作品でした。
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