さききち

オリエント急行殺人事件のさききちのレビュー・感想・評価

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)
3.0
「うわ!デイジー・リドリー!ジュディ・デンチにジョニー・デップ!ウィレム・デフォー兄貴に、貴女はペネロペ・クルス!ミシェル・ファイファー姐さんまで!!」
前半、キャストの豪華さでテンションは無論右肩上がり!
…と高まったのはここまで。

今、この映画をリメイクした理由がよくわからなかった。キャストは豪華だが、今一つ各人が活きていない。

◆舞台と映画◆
舞台もこなすケネス・ブラナーだけあって、映画というよりは舞台寄りの印象。これは一長一短。電車という密室で、①独特なアングルや②セットを活かしたショットが面白い一方、台詞回しやカットが舞台的で冗長。2時間の映像作品としては間延びして見える。次作があるなら、別監督のポアロが観たい。

◆奇人変人◆
個人的には、奇人変人キャラの魅力は演出テンポや間に大きく左右されると思う。
その点、今作のポアロは「どうだこの探偵オモロイやろ」臭が前面に出てきていてあまり惹かれなかった。

◆カット◆
諸々辛辣なことを書いたが、
ラスト付近、誰もが知る○○へのオマージュカットは美しい。単なる絵面的な意味のオマージュに留まらず、その「意味合い」も伴うそれ。重ねられたその意味。このシーンがあることで、終盤の余韻が一層深まる。

【2024.4.18再鑑賞】
2024年33本目
さききち

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