あかぬ

ガールフレンドのあかぬのレビュー・感想・評価

ガールフレンド(1978年製作の映画)
4.0
私の生き方は私が決める

プロの写真家を目指すスーザンは、詩人を志す親友・アンと共に、ニューヨークの一室を借りてルームシェアをしている。スーザンの仕事が軌道に乗り始めた頃、突然アンからまだ出会って間もない恋人と結婚することを打ち明けられ、スーザンはそのことを素直に喜べずにいた。
アンがスーザンの元を離れてから、スーザンはその寂しさを紛らわすように恋に仕事に必死に打ち込むようになるが何もうまくいかず、自分を見失いつつあった。一方アンは、心優しい夫と子供がいる家庭を持ち順風満帆に見えたが、詩人の夢を諦めきれず、恋に仕事に自由に生きるスーザンを羨ましく思っていた。
ほんとうの幸せとは一体何なのか、ふたりの友情と夢の行く末は……というお話

下高井戸シネマにて、女性たちの映画史にスポットを当てた書籍『ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト』の企画をされたお二方と松本侑壬子さんによるトークイベント付きの上映回に参加。
夢に向かって突き進むけれど世間が勝手に決めた"女の幸せ"に囚われてしまっているスーザンと、夢をあきらめ家庭に入り"女"としての生き方を選んだアン。隣の芝は青く見えるとはよく言ったもので、スーザンとアンがお互いのことを羨ましがって自虐的になってしまう様子は心配になるけれど、いたいけでかわいらしい。
ふたりが失敗と葛藤を繰り返した先に、人が決めた幸せではなくて、私の思う幸せとは何なのかと立ち返って出した答えは、遠回りだったかもしれないけれどよい決断だったと思う。
ガールフレンド(ボーイフレンド)はやはり大事。

フェミニズムとは女性だけではなく、男性側の視点も必要なのだと力強く語ってくれた松本さんに感謝。あの瞬間救われた人が何人かいたのではと思う。
松本さんも企画のお二方も素敵な人だった。
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