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薔薇は死んだのとにのレビュー・感想・評価

薔薇は死んだ(2015年製作の映画)
3.6
第一次世界大戦の前日にブタペストの運河で高級娼婦のエルザの死体がバスケットに入った状態で見つかったところから始まるサスペンス?ミステリー?映画。

話はそこから4日前まで遡り、エルザが死ぬ前の四日間がクローズアップされる。
ちょうどその日からエルザの元へ若くて美しい少女カトウがメイドとして働き始めるんだけど、元からいるメイドのロージを含めた三人の運命が少しずつ狂ってゆく展開に引き込まれた。

娼館をやめてパトロンにたんまりお金をもらって豪華な生活を送るエルザと、そのエルザの元で働き慎ましく真面目なロージ、若くて賢い女の子のカトウが三者三様の女の生き方みたいなのが描かれていて面白かった。

華やかなエルザと慎ましいロージもそれぞれカトウに対して妹や娘のように色々と話してくれるんだけど、カトウへの接し方がまるで違うんだよね。
それがこの二人の性格がいかに対照的かが浮き彫りになってギクシャクしはじめるのが割と現実でもありそう。(というか実話を基にしてるので当たり前なんだけど)

物語の主軸は誰がエルザを殺したか?になるんだけどエルザの愛人やら恋人やらも出てきて登場人物全員誰が彼女を殺してもおかしくない、、というか動機はあってサスペンスとしてもかなり良かった。
エルザは魅力的なんだけど、誰もを惹きつける魅力があるからその分恨みも沢山かってるような、華やかさっていうか。

エンドロール後のラストのセリフが、見終わった後にしっかり腑に落ちるようになってて良かった。し、やっぱりサスペンスじゃなくて三者三様の女の生き様の話だったよね〜って感じで結構面白かった。


「私らしく生きるためには、お金が必要なの」
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