アカデミー賞のダークホース。
絶賛の声が吹き荒れるなか、期待値をかなり高めての鑑賞。
ケンドリック・ラマーと同様の引用から幕を開け、幼少期から青年期の2部は完璧。
ゲイ、ドラッグ、貧困、いじめの問題を超絶パーソナルに描く。
こんなにもゲットーを美しく撮れるのかってくらいカットやロケーション、ライティングにこだわりを感じれる。
これはシャロンの心に秘めた暗さと純粋さの表れか。
人種差別により深く切り込み、LGBTQの公表も立派なパーソナリティとして厭わない現代のヒップホップシーンを映像として体現したかのような映画で、新しさ、現代的な作品だと感じた。
2部まで美的感覚冴え渡るキレッキレの内容だったので、3部はやや消化不良にも感じた。
シャロンの世界は変わったのか?彼は何色か?ブラック?それともブルー?
アカデミー賞助演男優賞もほぼ確実なマハーシャラ・アリの絶大な存在感はシャロンと同様に観客にも希望を灯す。
3人で構成された完璧なポスタービジュアルがすでに素晴らしいが、その期待は裏切らない一作。