しーかず

トゥルー・グリットのしーかずのレビュー・感想・評価

トゥルー・グリット(2010年製作の映画)
3.9
コーエン兄弟監督作の西部劇。リメイク作品らしい。西部劇なので当然銃撃や殺しのシーンもあるんだけど、なぜだか心が温かくなるような映画だった。「殺人犯を捕まえる」という明確な目標がありながらも、どちらかというとロードムービー要素が強くて、父の復讐を誓う14才の少女マティと、帯同する荒くれ保安官とテキサスレンジャーの旅が色濃く描かれていたからだと思う。常にぶつかり合うおっさん2人が少女の純粋で真っ直ぐな意志に心動かされて結束していく過程はグッときたし、押し付けがましく絆が描かれているわけではなく徐々に仲間意識が芽生えていく過程が描かれていたのもかなり良かった。特に「バンブルビー」で大好きになったヘイリー・スタインフェルドの演技が若くして天才的。特別ストーリーやプロットが秀逸なわけではないけど、俳優陣の演技とコーエン兄弟ならではの緊迫感の中にコメディや緩さもある雰囲気がすごく良い映画にしていると思う。純粋なマティが悪気なくさらっと2人に毒舌をお見舞いする場面もシュールで笑えた。
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