YUKI

国選弁護人ユン・ジンウォンのYUKIのレビュー・感想・評価

3.5
【(結果的に)お金よりも正義を追い求めた弁護士たちの物語】

ストーリー:3.3
芸術性:3.5
演技・俳優:4.0
演出:3.6
感情の揺さぶり:3.4

しがない三流弁護士が、とある事件の国選弁護人を担当することになってから、荒波に飲み込まれたように身の周りで怒涛のように色んなことが起きていく様子を、あくまで事件を中心に淡々と描いた映画。
法廷サスペンスというところはブラさずに、実力派俳優の濃厚な演技でグイグイ見せていく感じ。
特に警備会社の社長のところとかはちょっとわかりづらい部分があったけど、それは一気に見るのではなく止めながら観ていたからかも。
過度に感情を揺さぶるための演出などもなく、とはいえ息子を亡くした二人の父親のそれぞれの辛さというか立場を感じられるようなシーンや、少しニヒルな感じのある主人公が珍しく声を荒げるシーンなど、ところどころで感情が爆発していて、それがやはり胸にくるものがあった。
そして上にも書いたように実力派の俳優たちなので、話にフォーカスできる点も良い。
ただ、最後、事件自体がそうだからしょうがないのかもしれないけど、結局懲役ついちゃってかなり尻すぼみになったし、あれだけ騒いだ国を相手取る100ウォン訴訟もうまくいかず終わりました、という感じなのでなんか若干の消化不良はあるものの、現実ってそんなもんだよなというところなのかもしれない。

なお、この映画のキム・オクビンは上白石萌歌ちゃんに見えます。
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